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直木賞と芥川賞の受賞作を当てた、ある書店の店長の闇。

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 発表の瞬間にいつもの書店を覗いたら、受賞作を当てたらしき店長さんが小さくガッツポーズをして、隣にいたバイトの青年が、

「お、陳列このままでいけますね」

と、嬉しそうに言い、先輩らしきお姉さんに、

「ポップ交換してきて」

と、『受賞作』のポップを渡されて、背中をバシバシされていた。

 店長、ナイスなお見立て。

 これからも、ここで本を買おうと思った。

 

芥川賞直木賞、発表!

 第160回芥川賞直木賞日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は上田岳弘(たかひろ)さん(39)の「ニムロッド」(群像12月号)と町屋良平さん(35)の「1R1分34秒」(新潮11月号)に、直木賞真藤順丈(じゅんじょう)さん(41)の「宝島」(講談社)にそれぞれ決まった。

 社会学者の古市憲寿(のりとし)さんは芥川賞の受賞を逃した。

 芥川賞の上田さんは兵庫県生まれ。三島由紀夫賞芸術選奨文部科学大臣新人賞も受けている。

 受賞作は、仮想通貨技術などを題材に、高度情報化社会を生んだ人類の欲望と憂鬱をすくい上げた。

 町屋さんは東京生まれ。平成28年に文芸賞を受けてデビューした。

 受賞作は、弱点を自覚したプロボクサーが練習の中で心身を変容させていく様子を描く青春小説。

 芥川賞選考委員の奥泉光さんは、上田作品を「大きな世界観と日常的な出来事をつなげた手際のうまさが受賞につながった」と評価。町屋作品については「トレーニングの様子を徹底して描く筆の迫力が一番評価された」とたたえた。

 直木賞の真藤さんは東京生まれ。今回の受賞作で、昨年の山田風太郎賞も受けた。

 受賞作は、米占領下の沖縄を舞台に、本土復帰に向けた激動期を駆け抜ける若者群像を描く。

 直木賞選考委員の林真理子さんは「非常な熱量で沖縄の人々の強さと明るさが見事に描かれていた」と評した。

 受賞者は同夜、都内で記者会見。

 芥川賞の上田さんは「評価していただけてうれしい」

 町屋さんは「緊張しているのでわけがわからないというのが正直なところ」と語った。

 贈呈式は2月下旬、都内で開かれる。賞金は各100万円。

(引用元 https://www.google.co.jp/amp/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/15881490/

 2作が選ばれた芥川賞。甲乙つけ難かったということは、どちらも絶対おもしろい。

 そして、それを見事に当てた書店の店長がチョイスした、『迷ったらコレ! 店長のオススメ5』も、絶対おもしろい。

 そう思った私は、レジ横で店長の心の闇を見た…。

 

店長のオススメ5

『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』

フランス・ドゥ・ヴァ-ル、松沢哲郎紀伊國屋書店

 動物だって賢い。人間だから動物より賢いのか?動物だから心がないのか?そんな疑問を追求し続ける進化認知学についてびっしり書かれている本です。難しそう...あまり読まない分野...そんな方もぜひぜひこの機会に

 

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

川上和人 / 新潮社

 ツンデレなタイトルを裏切らない、鳥類への愛がにじみ出てやまない一冊。新種の発見に研究者として苦悩していたかと思えば、キョロちゃんへ鳥類学的な分類を試みたり...軽妙な筆致で描かれる著者の百面相が本当に面白い。

 

『バッタを倒しにアフリカへ』

前野ウルド浩太郎 / 光文社

 ヘタな青春小説よりもよっぽど面白い、若き研究者の冒険譚。金なし、恋人なし、成功への保証なし...ないない尽くしの著者だけど、好きな事・夢中になれる事に邁進する姿が心底うらやましい!読んでいてこんなに元気をもらえる本、そうそうありません。「あれ、最近笑ってないな...」というあなたが読むべき1冊です!

 

 店長、生き物が好きなのか。私も好きだ。

 

『騙し絵の牙』

塩田武士、大泉洋 / KADOKAWA

 出版業界に明るい話題がなくなって久しいが、この書籍の中でもやはりこの業界は苦境に立たされている。雑誌の廃刊であったり、リストラであったり・・・まずは業界を救うためにこの書籍から手始めに買ってみてはどうだろうか。もちろん大泉ファンの子猫ちゃんは必読である。

 

 ああ、出版業界を憂いているのか…。

 

『あるかしら書店』

ヨシタケシンスケポプラ社

 本にまつわる本なら何でも探しだしてくれるおじさん。これは正直うらやましい。"こんな本あるかしら?"にぱりっとこたえられない時のあのもどかしさ・・・・ぜひおじさんに弟子入りしたい。そして裏表紙、紙の本ならではのしかけがにくい。

 「こんな本あったらよいな」がたくさん詰まっており、その書店を訪れる本が大好きな人たちをとても愛おしく思いました。「2人で読む本」や「月光本」はまだ書店にはないけれど、来店くださったお客様の希望される本を探してお手伝いしていきたいなと、自身に重ねて読みました。

 この本が出た時には思わず「やられた!」と思いました。好きな場面は、結婚式での「文庫トス」。危ないけどやってみたいです。あと、カバー変更器は商品化するべきだと思います!

 

 店長、解説長い。これだけ長い。そして、この書評、知ってるぞ。どっかで読んだ。どこだっけ…………、ここか!

紀伊国屋書店

https://www.kinokuniya.co.jp/c/kinobest2018/

 店長よ……あんたの店、U◯堂系列でしょうが……。

 

 『あるかしら書店』を異常に推し、紀伊国屋の書評を使い倒す店長。

 楽をする事に全力を傾け、たいして楽できていないあなたが、私は好きですよ。好きですわ。

 私は受賞作の前を通り過ぎ、『あるかしら書店』を持って、レジに並んだ。

「あれ買う人いるんすね」

 バイトの青年がお姉さんに耳打ちし、足を踏まれていた。