スポーツカーの選択肢は増える? トヨタ『スープラ』17年ぶりに復活!
親戚の男子中学生は、家の車がずっと外車。
BMW → ワーゲン → ベンツ…と乗り換えているが、叔父さんが乗っている旧ハチロク(AE86)が大好きで、親戚が集まる時は、助手席に乗ってキラキラした目をしている。
はしゃぐというより、ドキドキ、ワクワクしていて、将来乗りたい車は、日産の180SX(ワンエイティ)。
叔父さんに、大黒埠頭のパーキングに寄ってもらって、駐車場に集まる走り屋の車をふたりで見るのは、親には内緒の『ちょっと悪い事』で、遠目に見ていると、実に微笑ましい。
そんな少年が言うのだ。
「今の車に、欲しいのがない。みんなファミリーカーばっか」
裕福な家庭に生まれ、外国車に辟易した少年の言葉が、妻子に合わせてファミリーカーを選ばざるを得ないお父さんと同じというのは、なんとも皮肉な話である。
使える車か、遊べる車か
小学校に入学する時に、子供が男の子だと、車を買い替える家庭が多いと聞く。
サッカーや野球のチームの練習試合の送迎のために、最低7人乗りの車を、言外に求められるからだ。
言外にとは、車の定員が少ないと、母親が先輩ママから嫌味を言われ、母親は夫にそれを訴え、買い換えないと(主に自分と)子供の立場が悪くなると憤り、夫はしぶしぶ欲しい車を諦めて…という流れである。
だが、町にはそうして選ばれたワンボックスカーが溢れ、駐車場で自分の車がわからない、なんてこともしばしば。
実用に傾くのは、この不況下では致し方ないとしても、デートの為の車、運転自体を楽しむ為の車が減っているのは悲しい。
だが、そこへきて、新86のヒット。
そして、それに続くスープラ。
『カッコイイ車』の時代がまた来るのかと、期待してもいいのだろうか…。
17年ぶり復活、トヨタ スープラ新型が世界初披露…2Lターボ車も
トヨタ自動車は1月14日(米国東部時間)、17年ぶりの復活となる新型『スープラ』を「デトロイトモーターショー2019」にて世界初披露した。
日本での発売は2019年春頃を予定しているが、価格は未定。発表に合わせて公開されたエンジン展開、日本仕様の写真を紹介する。
◾︎「86」より短いボディ、低い重心
新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racing が展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデル。
2007年のニュルブルクリンク24時間耐久レース初参戦以来、TOYOTA GAZOO Racing がモータースポーツを通じて蓄積してきた知見やノウハウを注ぎ込み、「GR SUPRA」として新たに誕生した。車体をBMWのオープンカー『Z4』と共有していることでも話題となっている。
新型スープラは、卓越したハンドリングや安定したコーナリング姿勢を実現するため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3要素を最重要ファクターと捉え、ピュアスポーツカーとしての理想を追求した。
◾︎トヨタスポーツカーの伝統を継承
デザインコンセプトは「Condensed(凝縮された) Extreme(過激な) L6 FR “TOYOTA" Sports」。
エクステリアでは、ショートホイールベースと大径タイヤによる、タイヤの存在を強調するサイドビューパッケージや、2シーターらしいタイトなキャビンとワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンス、直6・FRモデルらしいロングノーズショートキャビンシルエットなどが特徴だ。
また、空気抵抗低減に寄与するダブルバブルルーフや、ランプを車両内側に寄せることでフェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインとする手法など、かつて『トヨタ2000GT』なども採用した、トヨタスポーツカーの伝統を継承している。
チーフエンジニアの多田哲哉氏は、
「走る楽しさを極めたピュアスポーツカーを追求しました。
馬力やサーキットのラップタイムのような数値だけを追い求めるのではなく、いかにドライバーが車両と一体となって運転する楽しさを感じられるか、という感性性能を重視しています」
と語っている。
車を持つ事自体が、憧れだった頃。
燃費や容量よりも、カッコよさや楽しさが重視された頃。
2000GTというフレーズにワクワクする世代や、ゲームやアニメにしかないような旧車に憧れる少年が欲しがる車を、トヨタがまた作ろうとしている。
他社にも続いて欲しいが、さて、どうなるか…。