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ジャガー横田の息子の中学受験を利用した大人達と、彼を守らない親達。

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 子供本人が納得して出演しているのなら…と思っているのなら、それは少し違う。

 

中学受験の密着取材

 偏差値40から、偏差値71の超難関校”を目指す。

 プロレスラーのジャガー横田(57)と、外科医の夫・木下博勝氏(51)の長男、大維志くん(12)の中学受験企画が、昨年9月から8回にわたって「スッキリ」(日本テレビ系)で放送され、先日、最終回を迎えた。

 だが、登場人物をひとりひとり見ていくと、大人の事情しか感じない。

 

家庭教師のトライ

 学習塾への通塾を断られ、6年生の9月、受験まで半年というギリギリのタイミングで、木下家に呼ばれるのは、『家庭教師のトライ』。

 アルバイトの家庭教師が多く登録しているトライから、選り抜きのプロ家庭教師が派遣されてくるのだが、これは当然、トライの宣伝である。

 画面のどこかに、必ずと言っていいほど、トライのロゴが写り込んでいるのだが、これは当然、

・トライが『スッキリ』のスポンサー

・トライの二谷友里恵社長の娘は、日テレの社員

こういった、大人の事情がある。

 当初、広尾学園一本だった大維志くんは、思うように成績が伸びず、3日間全日程を受験して全滅していたので、本当にトライの宣伝になったかは大いに謎だが、滑り止めには合格したので、とりあえず成功にはされていた…が、今後、大維志くんがどのように言われるかを、全く考えていない企画である。

 加えて……

 

広尾学園

 大維志くんが目指した広尾学園は、逆にブランド感を上げたと言える。

 医師と芸能人の夫婦と、医師を目指す息子が目指すほどの学校。

 それでも、基準に満たなければ、毅然として落とす学校。

 簡単には入れない、超難関校。

 中学受験を目指すのなら、普通は小学校4年生から(厳密には3年生の2月から)、遅くても5年生から(4年生の2月から)、通塾をしなければならない。

 広尾学園だの医師だのを目指すような子は、もっと早く受験勉強を始めているし、家庭教師だけで受験するのは稀で、基本的には塾と併用していくものだ。

 半年で逆転というのは激甘で、番組を見ていた広尾学園の関係者は、誰も入れるとは思っていなかっただろうし、実際、入れなかった。

 

一番損をしたのは…

 この企画、普通なら50万円かかるトライの本気のバックアップを、番組負担で受けられた木下家は大助かり、なんて書かれているが、現役プロレスラーの母親と、半芸能人の医師の家庭にとって、月50万の教育費は、痛手でもなんでもない。

 滑り止めとはいえ、医学部がある大学の付属に合格した事を、家族で大喜びはしていたが、内部進学の厳しさを、父親や家庭教師は、おそらく理解している。

 それだけに、喜ぶ母親と息子の姿は、なかなかに痛々しかった。

 テレビで偏差値や私生活や容姿を晒された大維志くんには、今後のプライバシーはない。それを守り、フォローしようという意気を、番組には感じない。今後、彼が傷つくようなことがあった時に、誰が守ってくれるのだろうと思ってしまう。

 

子供がテレビに出るということ

 テレビに出られると聞いて、喜ばない子は少ないだろう。

 このSNSや動画配信の全盛期、ネットを使えば誰でも芸能人気分を味わえるが、テレビというのは、また特別だ。

 それが録画され、既にネットにアップされている。これはもう、完全に削除するのは難しい。データは黒歴史となって、情報の海を漂い続ける。

 そして、事あるごとに、引っ張り出されるのだ。入試の時。入学の時。就活の時。入社の時。結婚の時。事件に関わった時。

 

 本当に、本当によく考えた方がいい。保護者がもっと慎重になって、気をつけてやらなければならない。