「#勉強垢」と「学生to手帳」。デジタルとアナログを併用して戦う、受験生の最強ツール!
今の学生は、私達が子供の頃よりも、誘惑が多い。
ゲーム、スマートフォン、アニメ、漫画。
それらの誘惑と戦うストレスが、学校の授業や人間関係のストレスに上乗せされていて、そこに塾や予備校まで加わるから大変だ。当然、家族との関係も、ストレスなしとはいかない。
学生達は、たくさんのものと戦っている。
「#勉強垢」で励まし合う
SNSで勉強の進捗具合を報告・共有する勉強垢(垢=アカウント)が高校生の間で盛んだ。
インスタグラムでは「#勉強垢」「#勉強垢さんと繋がりたい」などのハッシュタグが飛び交い、その日の勉強ノートや使っている文具の写真が日々公開されている。
(引用元 https://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1035122/111200131/?ST=trnmobile_f)
勉強垢で励まし合う子には、女子が目立つ。
可愛いだけでなく高性能なステーショナリーや、見やすいノート作りを、競うわけでもなく純粋にシェアし合う姿は、本当の意味で『意識が高い』。
受験に有利なツールやテクニックを独占せず、ライバルではなく『仲間』と励まし合うのだ。
親同士がドロドロしてくる中学受験とは違い、自分自身で戦う為に、同じ境遇の学生同士が、支え合って自立している。
そんな中、ロフトと学研ステイフルが、新たな勉強支援ツール「学生to手帳」を共同開発した。
「学生to手帳」とは
2016年に発売され、2年連続で完売。
ポイントは“授業以外の時間の活用法”を考え、工夫できるようになること。
学生to手帳は、1日を時間軸で管理するバーチカルタイプの手帳だが、ビジネス用の物とは構成が異なる。
毎日の予定としては、
・朝の6時から夜中の25時までの構成。
・授業時間に当たる、平日の9時〜16時までは、スペースを取らないよう短縮。
・朝と放課後の時間帯に多くスペースが取られ、書き込めるようになっている。
また、マンスリーページには、
・月ごとに目標を設定するスペースを取る。
・月末に振り返りや改善点を書き込む欄がある。
これにより、ただ予定を書き込むのではなく、「計画を立てる」「振り返る」「改善する」という習慣を学生のうちから身に付けることができる、という。
その他に、
・テストの成績を記録するページ。
・勉強の計画立てるための別冊「学習ノート」の添付。
手帳ユーザーを増やす為、ロフト側から企画を持ちかけたとのことだが、そこには、こんな背景があった。
アナログへの回帰
「昨今はデジタルでスケジュールを管理する人が増えていて、手帳の市場は徐々に厳しくなっています。デジタルツールのユーザーは、若年層から始まりますよね。特にスケジュール管理が必要になってくる大学生が起点になる。そこで、もっと早い段階から手帳と接する時間を持ってもらおうと考えました」
(ロフト文具雑貨部バイヤーの武田至巨氏)
大学生の前の段階である中高生をターゲットに、将来の手帳ユーザーを育むための企画だったが、「#勉強垢」の発生により知名度を上げ、一度はスマートフォンのスケジュールアプリに圧されていた『紙の手帳』が、息を吹き返しつつある。
スマフォよりも手帳の方が、授業中に出しやすいことも手伝って、発売以来、毎年完売が続く「学生to手帳」だが、今年の売れ行きはどうなるか。
アナログへの回帰には、意地やロマンが付き纏う。
この先『手帳』は、どのような生き残り方をしていくのだろうか。