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金・顔・頭、3つ揃ったミスター東大(落選)とミスター慶応(落選)の転落の裏に精神障害?

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「ミスター東大コンテスト2014」ファイナリスト・稲井大輝被告。

 都内の自宅マンションのエレベーターで、30代女性に性的暴行を加えたとして逮捕・起訴。

「ミスター慶應コンテスト2016」ファイナリスト・渡辺陽太容疑者。

 横浜駅付近で、酩酊状態の女性に対する暴行と強制性交の疑いで逮捕。

「金持ちのバカ息子が調子に乗った」

「イケメンなら許されるとでも思ったのか」

 メディアもネットもお祭り騒ぎなのは、普段なら批判すると「僻み」や「負け犬の遠吠え」と受け止められるタイプの二人が、人として、男として最悪の、容赦なく叩ける『性犯罪』を犯したからに他ならない。

 刑務所の中でさえ、性犯罪者はピラミッドの中の最下層。この娑婆ではそれ以下、立派なご家族やご親戚方でも握り潰せないほどの情報力を、今は一般人が持っている。

 このふたり、現状は、社会的な仮死状態と言えよう。

 この件については、『高学歴モンスター~一流大学卒の迷惑な人たち~』(小学館)などの著者である精神科医・片田珠美氏の話が興味深い。


「高学歴」「容姿」「裕福」による特権意識

「2人は、『高学歴』『容姿』『裕福』という三要素によって、特権意識を抱いていたように思います。

 どれか1つではなく、3つ“揃った”ことが、特権意識をかなり助長したのでしょう。

 しかし、『容姿』と『裕福』は、彼ら自身の努力によって得られたものではありません。

『高学歴』だって、生まれ持った頭脳と努力だけでなく、多額の教育投資により手に入れられた面もあります。

 本人はそのことに気づかず、『高学歴』『容姿』『裕福』を全て自分の力で手に入れたと思い込み、“自己愛”を強める要素にしたのではないでしょうか。

 2人は、“自分は特別な人間である”という特権意識に支えられた強い自己愛を持つ『自己愛性パーソナリティ障害』だと思われます」

(引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/this.kiji.is/431348035373646945 以下、斜体部分も同様)

 だが、そんな2人はともに留年しており、大学内では“劣等生”だった。

 

留年した2人がプライドを保つには

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自己愛が傷つきそうになると、現実から目を背け、別の面で自己愛を補強しようとします。

 ですから、この2人がミスターコンテストに出場したのも、稲井被告が『日本一チャラい東大生』を自称してインターネット番組などに出演したのも、学内で落ちこぼれて傷ついた自己愛を、“有名になること”“モテること”“経験人数の多さ”といった別の面で補強するためと考えられます」

 東大や慶応の外にいた時は『できる人』だった2人が、できる人の集団に入ると『できない人』、つまり『最上の下』である事に気付いた、ということだろうか。

 学力で下位なら、他のステータスで勝負するしかない。ルックスと実家の金。そこに依存するにしても、周囲の迷惑にならない程度にしてくれればよかったのに、どうしてこうなった……と、思うのだが…。

 

渡辺容疑者に衝動制御障害?

 どうしてこうなったか、だが、慶応の渡辺容疑者に関して、片田氏はふたつの障害名を挙げた。

まず、衝動制御障害

「週刊誌で、渡辺容疑者と肉体関係を結んだ女性が彼について、

・性行為を拒むと首を思いっきり絞めてくる

・頭をバリカンで刈ろうとする

 また、今回逮捕された事件でも、

・女性に性的暴行を加えた後、場所を移動して、腹を蹴るなどした

 これらの行動から考えられるものとして、性衝動や攻撃衝動をコントロールできないのではない『衝動制御障害』の可能性が高いのでは──というのが、片田氏の見方だ。

 仮にこの衝動制御障害だった場合、原因は、生まれつきの性格と環境の相互作用。躾や専門教育により矯正可能なはずだが、なんの手も施されないままだと、今回のような犯行に繋がる場合がある。

(個々の特性や環境による為、同じ障害でも皆が皆こういった行動に出るわけではない)

 渡辺容疑者の場合は、建築関係の仕事で財をなした経営者である祖父の口癖が、

『一番欲しいものは学歴』

『孫たちを難関校に進学させるのが願い』

 ここから、家庭内に“勉強さえできればいい”という雰囲気があったと推察するのは安直かもしれないが、まったくの無関係とも考えづらい。

 その祖父が、

「最低五年間は刑務所で“治療”してほしい(中略)あれは病気なんだ」

と述べたところを見ると、家庭内でも相当持て余していたのではあるまいか。

 だが片田氏は、

「刑務所に入っても治らないのでは」

と見解を述べる。もうひとつ、見逃せない点があるからだ。

 

もうひとつの障害『情性欠如者』の疑いも

 片田氏は、刑務所に入っても『治らない』理由として、もうひとつの理由を挙げた。

「渡辺容疑者は、犯行内容から見て、情性欠如者である可能性が高いからです。

 情性欠如者とは、罪悪感や良心の呵責、同情心、反省する気持ちなどが一切ない人のことを指します。

 渡辺容疑者はかつて、親友の彼女を寝取ったこともあると伝えられており、倫理的に禁じられた行為を犯すことに快感を覚えていたフシがあります。これもまた情性欠如者と私が考える一因です。

 刑務所で更生できるかというと、難しいのではないでしょうか」

 

更生の余地があるのは稲井被告の方?

 一方の稲井被告の方には、衝動制御障害や情性欠如者の特徴は、見当たらないという。

 実家は神奈川で歯科医院を開業しており、父親は有名国立大卒。自身も、超エリート校である駒場東邦高校を卒業し、一浪ののち東大に合格。

 大学入学当初は「地味で口下手」「根暗」で、キャリア官僚を目指すサークルに所属していたと友人が証言する週刊誌報道もあった。

「開業医の家庭で、“勉強ができなければいけない”という価値観の中で育ってきたのではないかと思いますね。東大で多くの優秀な人たちに出会って挫折を味わい、その傷ついた自己愛を、チャラさで補強しようとしたのではないかと思うのですが、渡辺容疑者に比べると、まだ更生できる可能性はある気がします」

と、片田氏。

 だからといって許される事ではないが、まだ稲井氏の方がわかりやすい犯行だったように思える。


 いずれにしても、難関大学生の性犯罪や、エリートの転落ほど、大衆を喜ばせるニュースはないと、改めて感じた事件だった。