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職員死亡事故で、ホワイトタイガーの繁殖自粛は進むのか? この事故を利用させない為に、正しい認識を!

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 きれいで、かっこよくて、大好きだ。

 サーカスで初めて見た時には、本当に感動した。

 なぜ、サーカスにいるのかを知らずに。

 それが、いつの間にか動物園で会えるようになり、会える場所が増え、嬉しくて見に行った。

 増えた背景も知らずに。

 

職員の死亡事故

 鹿児島市消防局によると8日午後5時すぎ、鹿児島市平川町の鹿児島市平川動物公園の職員から「職員がホワイトタイガーに襲われた」と119番通報があった。

 鹿児島南署によると、動物園の職員古庄晃さん(40)が首から血を流して倒れており、市内の病院に搬送したが、その後死亡が確認された。発見当時は閉園後で、客にけがはなかった。

 消防局によると、救急隊員が園に到着した時には展示用の飼育室のおりの中で古庄さんが倒れ、襲ったとみられるホワイトタイガー1頭も麻酔銃で眠らされている状態だったという。

 同動物園によると、園ではホワイトタイガー4頭を飼育しており、このうちの1頭が古庄さんを襲ったとみられる。

 園を設置した鹿児島市によると、2011年に民間会社からホワイトタイガーを園に贈られたのを機に飼育を始めたという。

(引用元 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181008-00000038-asahi-soci

 こういう事故は、不幸としか言いようがない。

 亡くなられた職員の方は勿論、事故の元凶となった動物も可哀想だ。何かの状況か、なんらかの振る舞いがが、彼らの野生を目覚めさせ、本能に従ってしまったのだから。

 このホワイトタイガーの今後が、安楽死なのか展示停止なのかはわからないが、いずれにしても胸が痛む。彼は、望んでここにいたのではないのだから。

 ホワイトタイガーは、最近、繁殖や飼育を見合わせる動物園が出てきた種である。その理由は、人を襲う襲わないには関係のない事だが、今後、この事故の話を持ち出して、自粛を呼びかける人達は出てくるかもしれない。

 そうなったら、亡くなられた職員の方も、噛み付いてしまったホワイトタイガーも、利用されてしまうようで、本当に気の毒なのだが…。 

 

ホワイトタイガーとは

 ホワイトタイガーはインドなどに生息するベンガルトラの白変種で、1950年代に初めて見つかったとされる。国内でも各地の動物園が飼育しているが、近親交配の結果、関節の形成不全といった障害がある個体が生まれたり、一般的なトラより短命だったりすることが少なくない。

(引用元 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181008-00000038-asahi-soci

 つまり、ホワイトタイガーとは、「ホワイトタイガー」という種類のトラではない。「白いベンガルトラ」なのだ。

 この「白いベンガルトラ」が生まれる条件は、オスとメス両方が、白い体毛になる遺伝子を持っていること。

 だが、そんな遺伝子を持って生まれること自体が稀なので、カップリングは困難を極める。

 では、どうするか。

 日本では、兄妹や親子をカップリングし、近親交配をさせている。残念極まりない。

 結果、多くのホワイトタイガーが、斜視や関節の異常など、病気を抱えて生まれてくるようになった。

 病気をもって生まれたホワイトタイガーは、長生きできないことが多い。

 これが、福岡県大牟田市大牟田市動物園の、ホワイトタイガーの飼育終了宣言へと繋がる。

 

大牟田市動物園の宣言

 大牟田市動物園の「ホワイティ」は、眼球が内側に寄る「内斜視」という障害を持って生まれた。

 これを受け、同園では今年から、ホワイトタイガーの現実を知らせる為のパネル展示を行った。

「ホワイトタイガーは、『きれい』『珍しい』という人間の好みで維持している動物」

「このまま増やしていっていいのかどうか、みんなにも考えてほしい」

 そう訴えた上で、宣言している。

「今後、ホワイトタイガーは、飼育しません」

 今いるホワイティを大切に育て、これを最後に、新たなホワイトタイガーは迎えないことにする、ということだ。

 今回はホワイトタイガーだが、人間の嗜好のために品種改良・改悪された動物は、これにとどまらない。

 ここから、どれだけ視野を広げて、生き物本来の姿と尊厳を守っていけるのか。家畜や、医薬品の為に飼育されているもの達は、どうなっていくのか。

 これから起こる議論の幅は、計り知れない。