就活生の機嫌を取るのは終わり?『挑む人』だけを採用し続けるニッテイホールディングスのやり方。
採用担当のジレンマ
今時の就活生は、良くも悪くも情報が多い。
興味を持った企業があれば、すぐに検索し、入社試験での印象や、在籍中の社員の口コミを調べる事ができる。
ただ、この口コミというのが曲者で、良い事が書いてあれば『サクラ』『宣伝』と言われる。
悪い情報の方が、人は信じやすいから、そちらの方が拡散されやすい。
しかも、良いことを報告する人よりも、匿名で愚痴を垂れ流す人の方が、ネット上には圧倒的に多いからタチが悪い。一度叩かれ始めると、あとは下り坂。
これはもう、ネットや、人間そのものの性質と呼ぶしかないと思う。その性質に悩まされる、広報や人事担当者も、多いのではないか。
だが、それを逆手に取り、挑む事はできる。
ここに、ある企業の選考スタイルを書いておく。
嘘をつかない会社
投資用物件の管理・販売を行う株式会社ニッテイと、そのグループ会社である販売会社ニッテイホールディングスの採用担当は、求人サイト『マイナビ』に、こう伝えたという。
「できるだけ綺麗事はなしにして、なるべく現実に近いところを伝えてほしい」
「学生に誤解を与えたくない、この仕事はツライのだから」
「仲が良い」「仲間」「成長できる」「環境が良い」「全員」「一致団結」「将来性」「夢」といった言葉はNG。
更には、「仲間がいる(同じ目的とか一緒に頑張るとか)」「人間関係がいい」「尊敬できる先輩がいる」も絶対NGだと念を押されたという。
このNGワードを世の求人広告に照らしたら、ほとんどの求人が消えるのではなかろうか。
だが実際、ニッテイホールディングスの求人には、厳しい言葉が並ぶ。
ニッテイホールディングスは、欲しい人物像として、
・現状に甘んじず、トップを目指す向上心のある者
・他人や環境のせいにばかりせず、自ら考え、行動できる意欲的な者。
・部下や後輩を気遣い底上げができるリーダシップを発揮できる者。
・努力は必ず報われる、と自らを奮い立たせられるポジティブな考えを持つ者。
・部下や後輩に対し、時には厳しく指導し、またそれ以上に自らを律することができる者。
・仕事だけでなく、様々な物事、趣味関心を持ち、プライベートも充実させようと努力、行動できる者
・他人からの評価の有無に関わらず、自分事として物事に取り組める者、自己分析ができる者。
を挙げている。
どこの会社も欲しくて、でも、絶対に言えない事だ。ここまで言ってしまったら、今時の学生は、応募したがらない。
「仲が良い」「仲間」「環境が良い」「全員」「夢」といった、キラキラしたワードが踊る、楽しそうな会社の方に、迷いもなく流されていくだろう。
これはつまり、求人広告を目にした時点で、選考は始まっている、ということだ。
1日選考 即日採用の意味
求人広告にある厳しい条件を見ても尚、選考に向かったという時点で、その人は一次試験に合格している。
おそらくそれが、ニッテイホールディングスや、母体となるニッテイ自体の考え方なのではないか。
そう考えれば、ニッテイホールディングスが謳う『1日選考』や『即日採用』についても、納得ができる。
その時のスキルが至らなくても、挑む意志さえあれば、迎え入れてくれるということだ。
実際、入社してからの教育制度が充実しているので、やる気さえあれば資格も取れる。スキルは後から追いつかせればいいのだ。
だとすれば、『メール1本で辞退も可能』も納得がいく。できないなら辞めていい。挑めない者にかける時間はない。そういうことだ。
そもそも、不動産という高額商品を扱う事が、ぬるい人間にできるわけがない。ネットではブラックだと叩く声も多いが、おそらくそれは、挑まなかった者達の負け惜しみだろう。
このスタンスで、ニッテイホールディングスは設立から6年、母体となるニッテイ自体は45年も、不動産業界に在り続け、バブル崩壊やリーマンショックを切り抜けている。
『挑む者だけを集める』ことに、挑み続けた結果だろう。
福利厚生や有給日数をチラつかせ、学生の機嫌を取るばかりの企業と、厳しくても始めから、目指す最高の人材を提示する企業、どちらが生き残れるかは、考えるまでもない。
興味がある方はこちらから。
明日の仕事も、このくらい強気で攻めていきたいものである。