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六甲アイランドで51台全損のフェラーリ、車種は? 保険はどうなる?

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フェラーリ51台が水没により全損…

先日の台風により、埋立地の脆弱さを露呈した、神戸市東灘区の人工島・六甲アイランド

ここにあった近畿圏唯一の、フェラーリショールームとサービスセンターが統合された複合施設、『Auto Cavallino(オートカヴァリーノ)』

 

同店では当時、新車と中古車計53台のフェラーリを保管。

台風の接近に伴い、入り口をブルーシートや土嚢(どのう)で覆うなどの対策を施したが、高潮で店内は約1メートルの高さまで浸水。2台を除く51台が水没した。

同店によると、海水がエンジン内部に入り込むなどの被害を受けており、今後、全て廃車となる予定。中には購入済みの車も含まれており、保険を適用しながら対応していくという。

(引用元 https://www.sankei.com/smp/west/news/180906/wst1809060044-s1.html

 

無事だった2台は、整備の為に最高までリフトアップされていたものであり、他の、人が潜れる程度の高さしかリフトアップされていなかったものは、全て水没となったようである。

店舗の安全対策、水害対策は、どのようなものだったのだろうか。

 

フェラーリ正規店オートカヴァリーノ 販売店紹介より

私たち『Auto Cavallino(オートカヴァリーノ)』は神戸の六甲アイランドフェラーリオフィシャルディーラーとしてオープンいたしました。

最新のCI基準に則ったショールームにはイタリア最高級家具”カッシーナ”を採用したラウンジを完備し、ご来場いただいた皆様を優雅におもてなしいたします。

弊社在庫車輌は全て屋内保管車輌になります。

サービス工場には最新鋭機器を揃え、お客様の大切なお車をお預かりいたします。

全天候型の明るく広々としたストックヤード ショールームに展示しているお車以外もこちらでじっくりとご覧頂けます。

雨の日でも安心してご来店いただけるように駐車スペースも屋内に確保しております。

ご来店お待ち致しております。

(引用元 http://www.carsensorlab.net/shop/312494001/

 

今となっては虚しく聞こえる。

高級店としての方向性は間違ってはおらず、安全対策という意味では、おそらく標準的なもので、ここまでの災害は想定できていなかったのだろう。

間違っていたのは、立地だ。

『海抜の低い人工島』

この選択が凶と出た。

だが、船便で来る輸入車を迎えるという性質上、海や港の近くにショールームを構えるのは、当然といえる。

被害額は数十億円。ここには、いったいどのような名車があったのだろう……。

 

販売していた中古車輌

オートカヴァリーノで扱っていた車輌情報のほとんどが取り下げられていたが、中古車販売のサイトにわずかながら情報が残されていたので、参考までに転載しておく。

(以下、http://www.carsensorlab.net/shop/312494001/list/より引用)

フェラーリ カリフォルニア

1706万円 オープン (2009.10) 1.0万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2319万円 オープン (2015.1) 1.3万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2410.9万円 オープン (2014.11) 0.6万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2513.8万円 オープン (2015.6) 0.7万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2644.6万円 オープン (2017.1) 1.4万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2620.8万円 オープン (2015.5) 0.7万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2805.3万円 オープン (2017.12) 219km

 

フェラーリ F12ベルリネッタ

3018.8万円 クーペ (2014.4) 0.4万km

 

フェラーリ 458スパイダー

3210万円 オープン (2014.2) 0.7万km

 

フェラーリ 488GTB

3542.5万円 クーペ (2016.10) 0.2万km

 

フェラーリ 488スパイダー

3929.1万円 オープン (2016.9) 0.6万km

 

中古車の価格でこれである。

この店舗では、新車も当然扱っていた。

また、点検の為に預かっていた車両、修理中の車両、納車待ちの車両もあったとのこと。

その全てが廃車となると、被害額は計り知れない。

 

期待されていた関西の基幹店

2016年のオープン当初、オートカヴァリーノは、このように語られている。

 

神戸を含む近畿圏エリアは首都圏に次ぐ全国2番目の市場であり、近年フェラーリへの需要が最も高まっている地のひとつであることから、このたびフェラーリ・ジャパン正規ディーラーとしてグランド・オープンすることになりました。

この契約によりフェラーリ・ジャパンは、日本国内における正規ディーラーのネットワーク強化と、さらなる国内におけるサービス向上を目指します。

店舗はフロア面積3,100㎡の大きさを誇ります。

フェラーリ最新のコーポレートイメージを採用した店内には、新車ショールーム、認定中古車(Ferrari Approved)ショールーム、アトリエ(フェラーリテーラーメイド・プログラム)、サービスセンターがワンフロアで構成されておりフェラーリ車輌のご購入における多様なフェラーリ・エクスペリエンスと、お客さまのニーズに合ったサービスをご提供します。

(引用元https://auto.ferrari.com/ja_JP/news-events/news/auto-cavallino-kobe/ 以下、斜体部分も同様)

その、ワンフロアが全て水没。

広々とした、フラットでラグジュアリーなスペースが、完全に裏目に出た。


オープニング・セレモニーにて、フェラーリ・ジャパン 代表取締役社長 リノ・デパオリは、

「株式会社クインオートとのパートナーシップを強化し、Auto Cavallinoを正規ディーラーとしてグランド・オープンできたことをとても嬉しく思います。

近畿圏エリアにおいて大阪と並び重要で戦略的な地域である神戸に、近畿圏で唯一のショールーム(新車・認定中古車)とサービスセンターが統合された施設をオープンさせることで、高まる需要に的確に応えることができると考えています」

とコメントしている。

 

ここからどう持ち直すかに、クインオートの命運がかかっている、

 

保険の適応は…

台風21号に備えて、事前にブルーシートや土嚢(どのう)にて水害対策に備えていたとのことだが、店舗の目の前は海。

最大風速50m以上の暴風に高潮の影響が上乗せされ、店内は、約1mの高さまで浸水。

 

保険の内容によっては「高潮は保険対象でも、洪水は保険対象外」や「高潮・洪水共に保険対象外」、そして「高潮・洪水共に保険対象」といった内容がありますが、三つ目の保険内容「高潮・洪水共に保険対象」についてはスーパーカーでは適応できないといったところも多い模様。

もちろん、今回の高潮被害により、個人が加入している保険にて適応することも可能な会社もあるのですが、問題なのはディーラが掲げている保険で、これについては上の二つ目の保険内容「高潮も洪水も保険対象外」となっている可能性もあるため、ディーラが今後どのように対応していくのか非常に気になるところ。

経営母体となるGライオングループが責任を負う可能性も高いですが、やはりスーパーカーを購入する上で保険選びはかなり細かくチェックしておく必要がありそうです。

(スーパーカーを取扱う保険会社も非常に少ないのでかなり限られてきますが…今回のような大規模のトラブルは保険会社も相当に焦っていると考えられる)

(引用元 http://creative311.com/?p=45055

 

とのことだが、スーパーカーを買う人は、だいたいがセカンドカーで、代車が必要な人はほぼいないので、まあ…大丈夫かな…という気も。

むしろ、いつもお世話になってるし!くらいの気持ちで、ショールームの再建費用をポンとくれたり……は、ないのかな。