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安田純平氏、パスポート不発給。事実上の出国禁止は妥当か?

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 英断だと思いますわ……。

 

安田純平さん旅券、5カ月不発給 シリアで拘束、「出国禁止」

 内戦下のシリアで約3年4カ月拘束され、昨年10月に解放されたフリージャーナリストの安田純平さん(45)が外務省に申請した旅券(パスポート)が5カ月にわたり「審査中」とされたまま発給されていないことが6日、分かった。安田さんが明らかにし、日本政府関係者も事実を認めた。

 安田さんは「発給が長期間判断されず、事実上、出国禁止の状態が続いている」と話した。憲法が保障する海外渡航の自由との兼ね合いから妥当性が問われそうだ。

 旅券法は渡航先が入国を認めなかったり、国益を害する可能性があったりする場合、パスポートを発給しないことがあると規定する。

(引用元 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190606-00000105-kyodonews-int

 危ないことする人には、発給しない。

 危ないとこ行く人にも、発給しない。

 ただ、それだけのこと……な、気もするが、そんなに単純な話でもなさそうだ。

 

豊富な拘束歴

 ネット上の反応は冷ややかなもので、

「没収でいいと思う」

「当たり前でしょうね。良い対応だと思います」

渡航の自由はあるかもしれないが、国益を損なう恐れのあるひとに、パスポートを発給しないのは正しい」

 擁護する声は少なく、それはネットの体質であるかもしれないが、状況は厳しそうだ。

 事実上の出国禁止。

 安田氏は、本当に国益を損ねたのか。

 

 フリージャーナリストを名乗る安田氏は、1997年に信濃毎日新聞に在籍中、休暇を取ってイラクアフガニスタンの取材を行なっていたが、社内では文化部に所属し、紛争地域の記事を書けず退職。2003年1月から、中東や北部アフリカで取材活動を始めた。

 2004年4月14日、先に拘束されていた日本人3人の人質の消息を摑むため、ファルージャに向かう途中、武装勢力渡辺修孝氏とともに拘束される。

 この時は4月17日に解放されたが、日本への帰国費用について、「自分が持っていた格安航空チケットや自己負担のホテルを利用しており、日本国政府からの資金を使っていない」と説明していたにもかかわらず、実際には外務省がイラクからヨルダンまでの航空運賃など計約五百ドルを拠出していたことが判明し、返還請求されていることが明らかになった。

 

 2003年2月からイラクに滞在し取材中、当時のイラク政府が行った『人間の盾作戦』に、他のジャーナリストと共に自ら参加したが、米軍の攻撃を抑止する効果が無く、招待客待遇が中止に。

 イラク軍に拘束された後解放、その後もイラク軍やイラク警察に数度拘束されている。

 

 そして、あの拘束劇に繋がる。

 

シリアでの拘束

2015年6月

 シリア人ブローカーと共にトルコ南部からシリア北西部のイドリブ県に密入国後、21日のツイートを最後に行方不明となる。

 

2015年7月10日

 外務大臣会見にてシリアで拘束の疑いのある事案としてフジテレビ、テレビ東京の記者より質問があったが、当時の外務大臣岸田文雄氏は「少なくとも今現在邦人が拘束されたという情報には接してはおりません」と回答していた。

 

2015年12月22日

 国境なき記者団が「シリアの武装勢力に拘束されており、早期解決を望んでいる」という内容の声明を出す。

 だが、同28日、「確認が不十分だった」として、声明を撤回。

 

2016年3月16日

 拘束されているように見える安田氏と見られる男性の映像が発見される。拘束していると主張している団体は、ISILと対立している武装勢力と見られた。

 

2016年5月29日

「助けてください これが最後のチャンスです 安田純平と書かれた紙を持った安田氏と見られる新たな画像が公開された。

 

2016年6月29日

 安田の解放交渉の仲介役を名乗り出たシリア人男性が、交渉から撤退。

 

2017年4月16日

「危険地報道を考えるジャーナリストの会」が都内で集会を開き、政府に救出活動を行うよう訴える。

 

2017年5月

 山本美香記念国際ジャーナリスト賞特別賞受賞。この受賞は、救出活動を後押しする為に、危険地報道を考えるジャーナリストの会が推薦したことによるものと見られる。

 

2018年5月

 危険地報道を考えるジャーナリストの会が政府に対し、

・身代金を払わないで開放がなされない日本に対し、身代金を払って解放されたスペインの例やアメリカが家族による身代金の支払いを許可するよう方針転換した例を挙げ、日本に行動を求めた。

・安田氏と、その報道内容の重要性を訴える。を合わせて訴えた。

これらを軸に、日本政府に救出を訴えた。

 

2018年7月6日

 日本ニュースネットワークが独自に入手した映像について、安田氏を拘束している組織は「アルカイダから離脱した武装勢力『シリア解放機構』である」と報じた。

 

2018年7月中旬

 新たな20秒の映像が発見された。安田氏本人と見られる男性が「私の名前はウマルです。韓国人です」と述べ、「とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」と訴えていた。

(解放後、安田氏はインタビューで「イスラム教に改宗しなければならず、そこで自分で『ウマル』というのを選んでいた」と語り、「韓国人」と名乗った理由については、日本側に通報される等を防ぐために武装集団から「実名を言うとか、日本人とか言うのは禁止されていた」と回答している。

 

2018年7月下旬

 また新たに、男らに銃を突き付けられた安田氏と思われる人物の映像が公開される。

 

2018年10月23日

 官房長官菅義偉が緊急の記者会見を開き、安田氏らしき人物の身柄が解放され、トルコ政府に保護されたという情報がカタール政府から入ったことを明らかにした。

 

2018年10月24日

 外務大臣河野太郎は、日本大使館の職員が解放された人物と面会し、安田氏本人と確認したことを発表した。

 

2018年10月25日朝

 安田氏は保護先のトルコ・イスタンブールを発ち、同日夜に成田国際空港に到着、帰国の途についた。

(参考元 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/安田純平

 

 と、いうわけで、国益を損ねたか田舎のジャッジですが、まあ…損ねましたね……。

 そもそも密入国先の拘束だし。密入国しちゃう人に、パスポートはあげられないでしょ…。

 最後に拘束された時は、案内人とは違う人について行って拘束されたわけで、これはジャーナリストとして、プロフェッショナルとは呼べない。

 プロでなく、度重なる制止を振り切って渡航し、結果、自らの身を守れず、政府関係者を引き摺り出し、帰国の費用は負担したと偽るアマチュア

 しかも帰国後、ジャーナリストらしい有益な情報発信をしていない。

 パスポートを発給すれば、また拘束され、更に国益を損なうと思うのだが、どうだろうか……。