遊覧船沈没のドナウ川、救助難航の理由は? 7人死亡、19人不明、韓国外相らが現地へ…。
ドナウ川の遊覧船。
ガイドブックに必ず乗っている、日本人にも人気のコースだが、そこで、起きてはいけない事故が起きてしまった……。
遊覧船が衝突され…
ハンガリーの首都ブダペストを流れるドナウ川で29日夜(日本時間30日未明)、団体観光客ら韓国人33人を乗せた遊覧船が別の船と衝突し、沈没した。
韓国外務省によると、7人の死亡が確認され、19人が行方不明となっている。救助された7人は命に別条はないという。ハンガリー人乗員2人も行方不明のもよう。
韓国の旅行社などによると、事故に遭ったのは、ツアー客30人と韓国人ガイドらで幼い女児や高齢者もいた。
当時、雨風が強かったが、遊覧船は通常運行していた。川の流れが速く、救助作業は難航している。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、地元政府と協力し、救助に総力を挙げるよう閣僚らに指示。康京和(カン・ギョンファ)外相や支援チームが現地入りする。
ブダペストは「ドナウの真珠」と称され、川岸の夜景を楽しむクルーズが人気で、韓国人旅行客も多い。
(引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/world/amp/190530/wor1905300021-a.html)
行方不明の人達のうち、ひとりでも助かっていれば…と思うのだが、難しいだろうか……。
ドナウ川とは
観光地として、音楽や芸術や歴史の中に登場するモチーフのひとつとして、あまりにも有名なドナウ川。その規模は、日本のそれとは一線を画す。
国土が細長いが故に、山から海までの距離が短い日本の地形では、傾斜が大きい為に、川は急流になりやすく、故に水は濁りにくく、大河にはなりにくい。
だが、大きな大陸を流れる川は、もちろん場所にもよるが、平地をゆるやかに流れ、ある程度の水深も保てるものが多い。
ドナウ川はヨーロッパで2番目に長い大河で、ドイツの水源シュヴァルツヴァルトの水源から、ルーマニアの黒海に注ぐ。
その距離2,860 km。
流れる距離が長い順に、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、セルビア、ドイツ、スロバキア、ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、ウクライナ、チェコ、スロベニア、モルドバ、スイス、イタリア、ポーランド、アルバニアを経由する。
これだけの国をまたがって流れていると、当然、運河としての機能が求められる。
1992年、ライン川に繋がるライン・マイン・ドナウ運河が完成し、北海から黒海までの水運が可能に。
同年EUが設立されると、東側諸国との国境であるドナウ川は、EUと東ヨーロッパにおける経済の要として位置付けられ、更に重要視されるようになった。
そのドナウ川で起きた事故。
沈没遊覧船に衝突したのもまた、遊覧船。
雨による増水中のナイトクルーズということで、船を出す判断に誤りがあったのでは…と思ってしまうのだが、船を出さざるをえない何かがあったのだろうか……。
難航する救助活動
現在、ブダペスト警察や災害対策当局が捜索救助活動を続けているというが、ドナウ川の水位の高さや大雨のため、捜索は難航しているようだ。
CNNのこちらの報道 CNN.co.jp : ドナウ川で観光船転覆 韓国人7人死亡、19人不明 ハンガリーの救助活動中の写真からも、雨の強さがうかがえる。
ゴムボートを出してはいるが、二次災害の危険が大きく、雨と水量が落ち着かないと、ダイバーを潜らせるまではできないだろう。
だが、ダイバーが潜れるようになった時には、行方不明の19人は……と考えると、胸が痛む。
どこかに流れ着いていてくれればと思うのだが、難しいだろうか…。