相模原市議選以外にも? こんなに多い『くじ引き選挙』過去には3名同票の例も!
くじ引きでいいのか? 決戦投票じゃなくていいのか?と、誰もが思ったのではないか……。
相模原市議選にて
7日に投開票された相模原市議選(定数46)の中央区選挙区(同17)で、最後の1議席を争った新顔候補2人の得票が同数となった。
8日午前4時20分すぎに市内の開票所でくじ引きが行われ、当選者が共産の今宮祐貴氏(34)に決まった。得票は3158票で、無所属の松浦千鶴子氏(45)と並んでいた。
市選管は、1、2の数字が記された棒を順番に引き、1を引いた方が当選となる方式でくじ引きを行った。
松浦氏の後にくじを引いた今宮氏の数字は「1」。
直後に報道陣の取材に応じた今宮氏は号泣しながら「こんなに1票が重いとは……」と涙をぬぐった。松浦氏は「結果は結果として真摯(しんし)に受け止めたい」と声を詰まらせた。
同選挙区には25人が立候補し、激戦になっていた。
(引用元 https://www.asahi.com/sp/articles/ASM481PL2M48ULOB001.html)
今回の 選挙では『投票所ごとに一人目の投票者が、投票箱の中がカラだと確かめる』という権利を争って早朝から投票所に並ぶ『零票確認ガチ勢』が話題になったが、事の重さではこちらが上回る。
まさかの『くじ引き』決戦だ。
法の取り決めは
公職選挙法第95条には、
「当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める。」
と規程されている。だが、どのようなくじを引くかまでは定められていない。
そのため様々な方法でくじが引かれているが、比較的多いと言われているのは『棒くじ』で、数字が記された棒が入っている筒を振り、引いた数字で当選を決めるというものだ。今回の相模原でもそうだった。他にも、
・1から10までの10本のくじを引いて、小さい方を引いた方が当選という事例、
・福引のようなガラポン抽選機を用いた事例。
・2つの封筒を1つ選び、一方の紙に「当選」と書かれている事例。
・候補者の届出番号を記載した紙を封筒に入れ、選挙長が立会人の見守る中、後ろ向きになって封筒から紙を引いて当選者を決定した事例。
──等、様々な方法がある。
また、くじで負けた候補は、欠員が出た場合に扱いが異なる。
普通の落選の場合は、現職が死亡や辞職などで欠員が生じた場合、3か月以内であれば、次点候補が繰り上げ当選となり、3か月以降の場合は欠員のままあるいは補欠選挙となる。
だが、くじで負けて次点となった場合は、任期中に欠員が生じた場合、3か月以降でも繰り上げ当選の対象になる。このため、落選して1年以上経過して、繰り上げ当選となる事例がある。
(参考元 選挙ドットコム)
過去の『くじ引き事例』
昨年10月21日に投開票が行われた、京都府の大山崎町議会選。
この選挙の定数は12だったが、その12議席目に2人の候補が同数で並んだ。この時もくじ引きが行われた。
2007年の長野県の松本市議会選では、くじ引きで負けた候補が、残り任期20日の時点で繰り上げ当選となり、わずか20日の任期の議員が誕生した。
2017年10月に石川県の七尾市議会選では次点候補が2人いたが、現職市議が翌年1月に辞職し3か月以内の欠員となるため、繰り上げ当選の対象となり、次点候補2人でくじを引いて、繰り上げ当選者を決定した。
3人が同数の票で並び、くじ引きになったのは、2017年7月に行われた島根県の飯南町議会選。最後の2議席をめぐって、3人が同数の票で並んだ。このときは1から3までの数字が書かれた3本の棒くじを用意し、3を引いた候補が落選となった。
北海道の大樹町議会選では、2003年と2007年の2連続でくじ引きが行われた。しかも横山軍鬼候補は、2回とも引いている。
横山氏は2003年の町議会選でくじ引きによって落選。2006年に現職議員が死亡して繰り上げ当選。その後、2007年の町議会選にも立候補したが、そこでまたくじ引き。見事当選したというから、縁起のいい御仁である。
また、2007年の町議会選で横山氏と同数となり、くじで負けて落選となった候補も、現職議員が2008年に死亡したため繰り上げ当選となった。2連続くじ引き&繰り上げ当選。選挙って、運だっけ?と思うような事案である。
思いのほか多かった、選挙のくじ引き事例。選挙の神様もいる、ということだろうか……。