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2年で逮捕者384人! 元枢機卿の性的虐待で聖職剥奪は氷山の一角

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 例えば私が敬虔なカトリックの信者で、10代の少年だったとして、ローマ法王の脇を固めていた元枢機卿に何かを命じられたら、あるいは誘いを受けたら、拒める自信はないし、多くの人が、そうではないかと思う。

 大人であれば、証拠を集めて告発を、とも考えるが、子供だったら、

枢機卿様がお命じになるなら正しいこと』

『告発などしたら、自分も家族もどうなるかわからない』

 そう考えて、きっと従ってしまう。

 そこにつけこんで望まぬ行為を強要したのなら、あるいは望むように洗脳したのなら、聖職者としてだけではなく、大人として、人間として、とても許されることではない。

 

セオドア・マカリック米ワシントン名誉大司教の聖職を剥奪

 ローマ法王庁バチカン)は16日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis)が、性的虐待疑惑が持たれていた米国人のセオドア・マカリック(Theodore McCarrick)米ワシントン名誉大司教(88)の聖職を剥奪したと発表した。

 マカリック氏は昨年7月、聖職者としての活動を禁止されバチカン枢機卿会を辞任。今年1月にバチカンの法廷で10代の未成年への性的虐待の罪により有罪とされ、2月にはフランシスコ法王もその判決を認めていた。

 声明によるとマカリック氏は「職権を濫用し、未成年および成人と第6戒(姦淫してはならない)を破る罪」を犯したという。マカリック氏は現在米カンザス州に居住している。

 ローマ・カトリック教会は、最近米国とチリでも明るみに出た性的虐待スキャンダルで揺るがされている。フランシスコ法王は、たとえ高位の聖職者であっても虐待には「ゼロ・トレランス(不寛容)」の姿勢で臨むとしている。

(引用元 http://www.afpbb.com/articles/-/3211496?cx_part=top_topstory&cx_position=2

 カトリック教会の性的虐待事件は、英語では『英: Catholic sex abuse cases』と呼ばれ、そんな言葉が存在してしまう程度には、頻発している問題である。

 

驚きの事件数

 このての事件は、教会の上層部が不祥事の発覚を恐れ、事件を起こした人物を異動させるなどして問題を隠蔽してきた。

 だが、2002年にアメリカのメディアが大々的に事件をとりあげたことから、ようやく報道や調査が始まった。

 事件の背景には、孤児院、学校、神学校など、司祭や修道者が子供達と共同生活を送る施設の存在がある。

 2006年には、教皇ベネディクト16世が、今後同様の問題が起きた場合は厳正に処断すると宣言し、宗教的・社会的にも許されず、隠すことも罪になると述べたが、それでも事件は起き続けた。

 そして、その宣言をしたベネディクト16世自身 も、枢機卿在任時代に司祭の虐待事件をもみ消していたという疑惑が、2010年3月のニューヨーク・タイムズにて報じられる。

 教皇側はこれに反発し、教皇の退位を求めるデモや、教皇による事件数隠匿について、教皇自身が証人として出廷するよう裁判所に要請するなど、カトリック協会は大混乱に陥った。

 そこから3年後の2013年3月13日には教皇が交代となり、新たな教皇フランシスコは、2013年4月5日にこの問題に関して「断固とした対応をとる」という声明を発表。

 言葉通りに、性的虐待が判明した聖職者達を処分したが、2011〜2012両年に教会から解任となった聖職者の数が384人に達したというから、尋常ではない。

 

 今回の件は元枢機卿ということで大きく報じられたが、まさに氷山の一角。

 聖職者の聖の字が入れ替わるような安っぽい事件が頻発する様を、天にいまし彼らの神は、何を思ってご覧になっているのだろうか。