白血病を公表した池江璃花子と、エールを送る渡辺謙、ふたりのコメント全文。
競泳女子の池江璃花子(18=ルネサンス)が12日、検査を受け白血病の診断を受けたことを自身のツイッターで明かした。
池江璃花子 コメント全文
応援してくださる皆様、関係者の皆様へご報告があります。
日頃から応援、ご支援を頂きありがとうございます。この度、体調不良としてオーストラリアから緊急帰国し検査を受けた結果、「白血病」という診断が出ました。私自身、未だに信じられず、混乱している状況です。ですが、しっかり治療をすれば完治する病気でもあります。
今後の予定としては、日本選手権の出場を断念せざるを得ません。今は少し休養を取り、治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います。これからも温かく見守っていただけると嬉しいです。
心配な報告だ。有力選手として期待されていたが、まずは体。若さに期待して回復を、そして復帰を願いたいが、見る側の気持ちは二の次だ。
ただただ、無事を祈りたいが……。
白血病とは
白血病は、原因もなく、血液中の白血球が無制限に増殖する病気である。
赤血球、血小板が徐々に減少し、症状としては、動悸、息切れ、貧血などがある。
タイプも様々で、急性型、慢性型、特殊型など。それぞれの型の中に、骨髄性、リンパ性、単球性などの種類があり、症状もまた変わってくる。
患者数は、急性骨髄性白血病が最も多く、慢性骨髄性白血病がそれに続く。
成人に多い病気なので、18歳での発症は、少し若い印象。それだけに治りが早いというイメージと、逆に進行が早いというイメージ、双方があるが、ここはイメージに依らず、専門家の見解を待ちたい。
白血病から復帰した著名人
筆頭は、俳優の渡辺謙だろう。彼は今回の報道を受けて、Twitterを通して、すぐにコメントを発した。
『池江璃花子さんのニュースを目にしました。僕も同じ病気を経験しました。何故今自分がと絶望感に苛まれているのではないかと思います。
どんな状況かは分かりませんが、今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずにしっかり治療に専念して下さい。祈っています』
今から27年前の、渡辺謙は、急性骨髄性白血病であることを公表した。そこから5ヶ月後に公の場に姿を現した時には、そのやつれた姿に、皆が驚愕した。
「このまま仕事を続けるのなら、保証できる命は1ヶ月」
30歳、一番いい時期の俳優が、医師からそう宣告され、自殺を考えるほどの苦しい闘病生活に叩き落とされた。
それでも希望を捨てずに病気と闘い、何とか一時退院するまでの状態に回復。
「この病気と一生付き合っていくと思う」
報道陣の前で決意を述べ、言葉通りに仕事に復帰したのは、発症から1年1ヶ月後のことだった。
その後俳優業も再開し、病院と撮影現場を往復。
4年後、1994年に再発するが、治療に専念し、翌年には二度目の復帰を果たす。そして、闘病に捧げた30代を取り返すかのように!40代からの快進撃が始まり、今ではハリウッドスター。
渡辺謙の事例は、当然、成功事例のうちのひとつで、その裏側には、当然失われた多くの命や、今も戦う多くの患者の姿がある。
白血病で亡くなった著名人も当然多い。だが、それは今言う事ではない。
池江選手には成功事例だけを見て、現代の医療を信じて治療に向き合ってほしい。何より医療は、渡辺謙が罹患した時よりも、大きく進歩しているのだ。
オリンピックの分の声援を彼女に届けるのは今。
長い休みをもらったと思って、頑張ってほしい。