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栗原容疑者の恫喝に屈した教育委員会って、誰がやってるの?

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お父さんにぼう力を受けています。 

夜中に起こされたり、起きているときにけられたり たたかれたりされています。 

先生、どうにかできませんか。

 

筒抜けだったSOS

 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が死亡し、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が逮捕された事件。

 学校が取ったいじめのアンケートに書かれた心愛さんの言葉。

 これを、暴力を振るった父親本人に見せたら、どうなるか。

 父親の威圧的な態度に恐怖を感じて、いじめのアンケートのコピーを渡してしまったという、教育委員会の職員の説明だが、ありえない。

 娘をいじめ抜き、虐待死させるような男の恫喝。並の圧力ではなかったとは思う。

 だが、それでも毅然として『渡せない』とした学校側の勇気を無にして、『渡します』とした教育委員会の職員。

 無能な上司を持った校長や学校職員達にしたら、大切な生徒を殺されたようなものだ。

 ここは学校職員達に、反旗を翻してほしいものだが、難しいのだろうか……。

 

教育委員会を構成する人々

 学校の先生は、教員免許取得の後に、採用試験を受けて『学校の先生』になる。

 では、教育委員会は、どのような人々が勤めているのだろうか。

教育委員会とは基本的に1人の教育長(常勤)と4人の教育委員(非常勤)によって構成される。

・教育長、教育委員ともに首長が議会の同意を得て任命する。

・教育委員の中には保護者を含む必要がある。

・教育長の任期は3年、教育委員の任期は4年。

参照元 https://www.ryosaka.com/entry/2017/11/02/000000

 野田市教育委員会のホームページを見ると、委員の構成は、このようになっている。

・教育長 佐藤 裕

・教育長職務代理者 高橋 保(元小学校長)

・委員 伊藤 稔 (大学教授)

・委員 飯田 芳彦(郵便局長)

・委員 永瀬 大(保護者委員)

 メンバーの経歴は、行政出身者、大学教授、PTAと様々。教員出身者のみに偏らせない傾向は、全国の教育委員会に見られる。

 また、地域の保護者であるPTAの代表は、必ずと言っていいほど入れることになっている。

 他には、地元の名士(ロータリークラブ会長、弁護士、歯医者、経営者等)が入ることもある。

 いずれにしても、子供について無知な役人ばかりで構成されているわけではない。では、教育委員会の下の『職員』はどうだろう。

 

教育委員会の『職員』

 今回、栗原容疑者にアンケートのコピーを渡してしまったのは、『教育委員会職員』とされている。

 教育委員会の下には、事務局と呼ばれる組織があり、『教育委員会』と言われたら、この『教育委員会事務局』を指すことが多い。

 メンバーは、役所の事務方と『指導主事』。

 校長を目指す教員は、「教育管理職試験A選考」を受験して「指導主事」になり、その後、副校長、校長と出世していくので、出世の途上にいる教員という理解で、ほぼ間違いない。

 ……で、ここからは、私個人の憶測になるが。

 

 栗原容疑者にアンケートのコピーを渡してしまった職員は、教員出身の指導主事ではなく、役所の事務方ではないかと思う。

 一度でも学校に勤めたことがあれば、アンケートを渡して何が起こるか、想像できたと思うのだ。その証拠に、心愛さんの学校の校長先生は、アンケートは渡せないと断っている。

 その、『下が出したNO』を『上がYESにした』結果が、今回の虐待死だ。

 教育長の佐藤氏の着任時の挨拶には、このようにある。

『平成30年4月1日付けで教育長を拝命いたしました佐藤裕でございます。

 私は、特別支援学校や小中学校の教育現場、市教育委員会や県教育委員会、公民館と40年近くを学校教育、生涯学習の仕事に携わってまいりました。

 現在の子どもたちを取り巻く環境に目を向けると、学力の向上、道徳教育の充実、いじめや不登校の防止などの課題とともに、将来の職業への不透明感があり、学校、家庭、地域が一体となって、それぞれの教育力を生かし、課題解決のための取組を充実させていくことが求められます。

 これまでの経験を生かし、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をそなえた、たくましい子どもたちの育成を念頭に置き、次世代を担う子どもたちが地域に誇りを持ち、学びと笑顔あふれる姿を目指して野田市の教育の充実に取り組んでまいりますので、保護者のみなさま、地域のみなさまには、今後とも、ご理解・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。』

(引用元 http://www.city.noda.chiba.jp/kyoiku/1011962/1011829.html

 現場での経験、特に、特別支援学校での経験があったのなら、虐待について無知であったわけがない。

 校長に念書まで書かせる父親と接見させる職員を、もっと選べなかったのだろうか。

 今回の件の加害者は、栗原容疑者だけではないし、被害者も心愛さんだけではない。

 見通しが甘かった教育委員会も加害者であり、心愛さんを守らせてもらえなかった学校側も被害者のように思えるのだが、甘いだろうか。

 現場の先生方の気持ちを思うと、やりきれない。