いまさら聞けない新元号『元号選定手続き文書』の内容とは?
平成が終わった。はず。
でも今は、平成31年のはず。だった。
新元号は、4月1日までわからない。
では、この2019年1月1日から3月31日までの元号は『何』なのか。
この間に生まれた子は、昭和生まれ、平成生まれ…と生まれた元号で区切る時に、いったい『何』とカテゴライズされるのか。
平成が終わる、平成最後と、言いまくり、言われまくった割には次が決まっていない、このフワフワした感じ。
今上天皇が、せっかく2016年という、早め早めのタイミングで、生前退位のご意向を伝えてくれていたのに。
それをまったく生かせないまま、年初めでも年度始めでもない5月1日に改元するのは、いったいなぜなのか。
新元号について、今更聞けない『知らないとヤバイ度』が高いあたりから、順に調べておく。
①いつまでが平成?
今上天皇は平成31年(2019年)4月30日をもってご退位、平成という元号は平成31年(2019年)4月30日をもって幕を閉じる。
②新元号の発表は?
2019年4月1日に閣議決定し、同日中に公表する方針。
③新元号は、いつから?
(平成29年(2017年)12月8日に閣議決定)
④そもそも元号って何?
特定の年代に付けられる称号。『年号』とも。
慶応4年(1868年)を明治元年に改元した際に、一世一元(天皇陛下ひとりにつき元号ひとつ)と決められた。
⑤誰が決めるの?
『元号選定手続きについて』という文書に規定されている。
「平成」の元号が決められた前回に倣うと、基本的には政府が密かに何人かの学者に案を提出してもらい、有識者による「元号に関する懇談会」で提案。
ここで支持された案が内閣の全閣僚会議で決定、となると考えられる。
⑥新元号の条件は?
ア.国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
イ.漢字2字であること。
ウ.書きやすいこと。
エ.これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
オ.俗用されているものでないこと。
以上の条件を満たしていなければならない。
また、様々な文書に元号のアルファベットの頭文字が略号として使われている為、存命中の人がいる元号から、即ち『明治はM、大正はT、昭和はS、平成はH』の4文字以外のアルファベットが頭文字の元号になると思われる。
⑥なぜ生前退位に?
これまでは、天皇が崩御された後、皇位継承があって発表だったが、国民生活に大きな影響を与えないために、今上天皇のが2016年8月に生前退位のご意思を表明されたのを受け、事前に発表することが閣議決定された。
⑦今までの改元は?
昭和から平成になる時は、昭和64年(1989年)1月7日に昭和天皇が崩御されてから、内閣が有識者とともに新しい元号を決め、その日のうちに発表が行われた。
⑧改元による経済効果は?
「祝賀ムードの中、小売業界が改元セールを打ち、個人消費が大きく伸びる可能性がある。新元号に絡めた記念品の需要も高まりそうですし、景気上昇も期待できます」
出雲大社や伊勢神宮といった皇室ゆかりの神社仏閣への『聖地巡礼』ブームの到来も期待されている。
「足を運んだ先でお金を落とすことで、地方にも消費拡大の波が広がり得ると考えられる」
(第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣氏 引用元 https://www.news-postseven.com/archives/20180813_740257.html?PAGE=1#container 以下、斜体部分も同様)
また、平成への改元直後、印章店(はんこ店)に注文が殺到した。
「売れたのは『平成』の文字とその上や下に二本線が入った『消し棒付きゴム印』というもの。
『昭和』と表記された書類に一度判を押すだけで、平成に修正できるわけです。
企業や役所などからの注文が急増し、一時は価格が10倍以上に高騰。当時の特需は約20億円にのぼったと推計されます」
(業界誌『現代印章』編集長の真子茂氏)
各所でペーパーレス化が進んでいるが、真子氏はこう予測する。
「公表時期が当初いわれていた今年夏ではなく、改元のわずか1か月前までずれ込んだことで、コンピュータシステムの対応が追いつかない企業や役所が出てくると予想されます。
結果としてデジタルでは対応できず、やはり『消し棒付きゴム印』の出番がやってきそうな気配です」
紆余曲折が続く新元号、さて、何に決まるか…。