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2億円事件の『幸楽苑』は、指混入事件のダメージから巻き返せるのか。

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 明けましておめでとうございます。

 働き方改革に乗っかって、昨日はブログも休んでみました。

 今年は元日休業の店が多いようで…

 

元日休業だった店

 外食チェーンや大手スーパー等に広がる、元日休業。通常より来店客数が少ない為、従業員を休ませて、家族と過ごしてもらう事で、リフレッシュさせて士気を高める事が狙い。

 ここ10年ほど、営業日を前倒す空気があり、都内のデパートの多くは1月2日から営業、中には渋谷西武など元日からの営業をウリにする。『元日は福袋を買いに並ぶ』人達も多いが、そこに『元日は休む』という、新たな流れができた格好だ。

 小売店では『成城石井』が元日休業の余裕を見せ、『コストコ』が家族との時間を大切にする、欧米のスタイルを体現した。

 飲食店では、ファミレスの中でいち早く24時間営業を廃止した『ロイヤルホスト』がブレなさを示し、サラリーマン御用達の『大戸屋』は、休もうと呼びかけるように元日休業を牽引した。

 そんな中で存在感を示したのが、幸楽苑である。

 

2億円事件

「いつからでしょうか。お正月にいろいろなお店が営業するようになったのは。私たち幸楽苑も、いつしか年中無休のらーめんチェーン店を売りにしていました」

 飲食店、特にチェーン店では『年中無休』が当たり前、それがファミリーレストランなら、24間営業までが付加されるのが常識になって久しい。

 だが、そこに64年の歴史を持つラーメンチェーン店が、ようやく声をあげた。

 12月31日~1月1日までの年末年始を休業することを発表した新聞広告には、幸楽苑社長からのメッセージが掲載されていた。

『お客さまからも、働くスタッフからも愛きれるお店づくりを目指して取り組み』の一環として、店舗の約8割にあたる直営店・FC加盟店合計427店舗(2018年11月末現在。フードコート、「いきなり!ステーキ」業態を除く)を年末年始休業するとのことで、2日間合計で売上損失2億円弱が見込まれる。

 おいしさだけでなく、提供するサービスの質の向上を目指し、スタッフが働きやすい環境づくり、幸楽苑式の「働き方改革」に着手し、その第一弾として、スタッフの士気向上を目的に実施する、としていた。

 

ネット上の反応は…

「今夜はおそば屋さんで年越しそばを食べてください」

との言葉に、ツイッターでは、

幸楽苑の2億円事件最高やな」

「2億円事件が素敵過ぎて泣けてきた」

幸楽苑15時から休みに入るらしいし逆に行きたくなってきたな?」

「普段なかなかお目にかかることもないトップが現場を意識した舵取り。売上2億失っても、2億以上に得ることが多いってことかな」

等、良い反応が多い。

 客と従業員双方を思う姿勢は、顧客と共に、あらたな従業員の獲得にも繋がるだろう。

 

指混入事件からの逆転

 この幸楽苑だが、2016年9月に発生した“従業員の指混入事件”のマイナスイメージからの逆転の途上にある。

(以下 http://www.itmedia.co.jp/business/spv/1805/11/news124.html 参考)

 昨年5月11日発表した18年3月期の連結決算は、売上高が385億7600万円(前期比2.0%増)、営業損益が7200万円(前期は1億4700万円の黒字)、最終損益は32億2500万円の赤字(前期は1億5400万円の黒字)に転落。不採算店舗の減損損失21億3700万円を特別損失として計上したことが響いた。

 17年10月には、ペッパーフードサービスフランチャイズ契約を締結、店舗を「いきなり!ステーキ」へ業態転換する方針を明らかにして業界を驚かせた。現在は6店舗を運営している。

 今後はさらなる業績改善とイメージアップに向け、「いきなり!ステーキ」への転換や「10円ラーメン」のような話題を呼ぶ施策に注力する方針だという。

 「日本マクドナルドの業績立て直し策を参考に、新商品を相次いで発表していきたい。インスタントラーメンを開発してコンビニで販売し、顧客接点を強化する案も検討中」とのこと。

 こうした施策の効果により、19年3月期の連結業績予想は、売上高384億4600万円、営業利益6億2900万円、最終利益2億6900万円と1年での黒字転換を見込む。

「異物混入事件はボディーブローのように効いているが、地道な取り組みによって巻き返しを図りたい」と話しているが、はたして、どうなるか…。