ビジネスニュース斬り

ビジネス、ニュース、芸能、仮想通貨でも何でも取材や第三者目線での見解など、独自の路線で記事を執筆します。

フェイクニュースはこうしてできる。 吉田羊、今朝のイギリス留学報道を、夜には否定の中身。

f:id:kido1205:20181218230933j:image

 『うまく嘘をつくコツは、真実を混ぜる事』とは、まあ、進撃の巨人の最新刊にあった言葉ですが。

 言葉通りだとしたら、今朝のこのニュースのうち、どの部分が真実なのだろうか。

 本人がSNSで留学を否定したので、舞台裏はわからないが、本人の言葉が真実、今朝のニュースはフェイクという前提で、https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181218-00010002-jisin-ent』にツッコミを入れていってみる。

 

今朝の留学報道

「いまや演技派女優として不動の地位を得た吉田羊さんの19年のスケジュールが白紙状態になっています。本人の強い希望で一時的に休業し、英国・ロンドンへ演技留学するそうです」(映画関係者)

→まずここに、留学情報の発信元はない。

 18年には2本の主演映画を含む5本の映画に出演。今月3日に発表された「2018タレントCM起用社数ランキング」は11社で女性部門4位にランクインした吉田羊(年齢非公表)。

→ここは真実。基本データのうち。なくても記事は成立するので、嘘の肉付けを真実で行ったか?

 順風満帆に思える彼女が今回、大きな決断をした原因のひとつが、10月に公開された主演映画『ハナレイ・ベイ』だったと前出の映画関係者は証言する。

「撮影は昨年8~9月にハワイ・カウアイ島を中心に行われました。

 彼女は最愛の息子を事故で亡くしたシングルマザー役だったのですが、監督は、孤独感を出すため“ひとりきりでの渡米”を厳命。

 共演者と接することまで制限され、常に孤独な状態に置かれたんです」

 スタッフの半分は米国人で、せりふは約半分が英語。監督からは容赦ないダメ出しの連続――。

「撮影のないときは英会話を猛勉強して、心身とも相当、追い込まれたそうです。

 自分自身のもろさを痛感し、女優としての作品への向き合い方を改めて考えたそうです。“もう一度演技を勉強したい”気持ちが強くなり、留学を決めたと聞きます」(前出・映画関係者)

→またも情報の発信元がない。『するそうです』『と聞きます』ばかり。噂話に、映画のキャリアで肉付けして、信憑性を持たせたか?

 映画上映に先駆け、プレミア上映会に出席した吉田は、《クランクイン初日からコテンパンにやられました。この作品が終わったら女優をやめようと思いました。それぐらい追いつめられて闘った撮影でした》と、女優として転機になる作品だと述べていた。

→『女優をやめようと思いました』を拡大解釈し、前述の英語が大変だった話に繋いだか?

 吉田の所属事務所に英国留学についてコメントを求めたが、期日までに返答は得られなかった。

→期日までに返答がないので、留学確定として報道したか。

 19年1月には出演するスペシャルドラマが放送され、2月には出演映画『七つの会議』が公開されるが、すべて撮影済みだという。

「すでにロンドンでの演技学校も内定しているそうで、吉田さんは『向こうで舞台に立てるまで頑張りたい』とオーディションも受ける決意を口にしています。留学期間は半年ほどと聞いています」と前出の映画関係者。

→この映画関係者とやらが、どうにもあやしいし、記事がこいつ一人の発言から作られている。

「6カ月以内の期間であれば、事前に取得しておくビザの必要がないので、簡単に留学できます」

 そう話すのは留学エージェント「ウインテック留学センター」の担当者。

→ここは留学する前提で取った裏付け。記事に信憑性を持たせるため。

 英国では大学の演劇学校は基本的に3年間、短くても1年間が中心だが、演劇関係者は言う。

「ロンドンには民間の演劇学校も多く、映画『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスなどを輩出した王立演劇学校は特に有名。サマースクールなどのショートコースも充実しているので、民間の学校に通う可能性は高いでしょう」

→ここも留学する前提で取った裏付け。

 英国留学は、彼女の新たなステップアップとなるか――。

→本人からの発表を待たずに確定。


 と、こんな感じで、このニュースができたようだが、吉田羊が報道を否定したことで、今朝の留学のニュースの多くが、ネット上から削除された。

 だが、書かれたフェイクニュースの内容がイギリス留学というのが、吉田羊の価値を高めた。

 彼女が、そういう噂が出てもおかしくない、知的な女性だということだ。