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高速鉄道の事故車両を被害者ごと生き埋めにした中国は、爆発した化学工場の従業員の救助を続けているだろうか…。

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 聞こえてくる報道内容が、正しいものなのか。

 どの発表も疑わしい国が、すぐ近くにある。

 

化学工場の爆発事故

【11月28日 AFP】

 中国河北(Hebei)省の張家口(Zhangjiakou)市にある化学工場付近で28日、爆発と火災が起き、地元当局の発表によると少なくとも22人が死亡、22人が負傷した。

 張家口市は、2022年に開催される北京冬季五輪で主な会場となる地方だ。

 当局によると、現場は河北盛華化工有限公司(Hebei Shenghua Chemical Co)の工場近く。爆発は同日0時過ぎに起きたという。大型・小型のトラック計50台も焼けた。

 国営テレビのソーシャルメディアに掲載された画像には、路上で黒焦げになって煙を上げるトラックや車が写っている。

 当局の発表文は、工場が爆発で被害を受けたのかや、爆発が路上で起きたのかには言及していない。

 負傷者は病院に搬送された。現場では捜索・救助活動が続けられ、事故原因の調査も進められている。

 張家口市では、北京冬季五輪アルペンスキーなど雪上競技が開催されることになっている。今回の爆発が会場近くで起きたのかも現時点では分かっていない。

 中国では道路や産業施設の事故が後を絶たず、今年7月にも四川(Sichuan)省の化学工場で爆発が起き、19人が死亡している。(c)AFP

(引用元 http://www.afpbb.com/articles/-/3199496?act=all

 手抜き工事や、安全・衛生管理の杜撰さばかりが取り沙汰される中国だが、広大な国土に莫大な人口を抱え、世界中の企業に工場を建てられている事を考えると、事故が起こる確率が高いのも、当然と言えなくもない。

 所得格差、学歴格差、国土、人口、全てが規格外の中国。そんな国で安全管理を徹底するのは、なかなか難しそうだが、失われたのは人命。

 だから仕方ないんです、とは言えない難しさもある。

 

報道内容の真偽

 この事故で気になる、というより気味が悪いのは、『不明』『未確認』『わからない』という文言の多さだ。

 22人が死亡、22人が不明というのは、本当なのか。そもそもこの工場には、何人が勤めていたのか。

 事故が起きてしまったのは仕方がない。

 だが、その後の対応は、いかようにもできるはずだし、最大限、手を尽くすべきだ。

 正確な情報

 迅速な人命救助

 適切な事後の補償

 そこを疎かにする、しすぎるから、中国は事あるごとに、イメージを落としていく。

 中国で爆発事故と聞くと、まず思い浮かべるのは、2015年に起きた、天津の危険物倉庫での事故かもしれない。

 だが私は、2011年の、高速鉄道脱線事故の方を思い出した。

 

生存者救出を早々に打ち切って埋め立てた、浙江省温州市の追突脱線事故

 死者40人、負傷者約200人。

 2011年に、中国浙江省温州市で起きた、高速鉄道の追突脱線事故の処理は、まさしく『処理』だった。

 事故に遭った車両は事故現場の高架下にすべて埋められ、鉄道省の事故原因の報告以降、事故原因の究明は一切されていない。

 埋め立て作業開始とは、即ち生存者捜索打ち切りを意味し、反対をした救助隊員が1人で捜索を続けた結果、2歳の女の子を救出したのは、事故発生からわずか20時間後。

 この事から、あまりに早い捜索打ち切りに、

「埋め立ては早すぎる」

「他に生存者がいるはずだ」

「現代の焚書坑儒

という各方面からの批判が寄せられたが、方針は変わらず捜索は打ち切られ、埋め立て作業を開始。

 捜索を続ければ助かったかもしれない人ごと『生き埋め』にしたこの事故と同じ事が、今回の爆発事故でも起きていないかが、心配になる。

 

 高速鉄道を売る為に報道を歪めたように、冬季五輪を開催する為に報道を歪める、という事が、行われてはいないだろうか。

 最悪、報道が歪められるとしても、助かる命は助けてほしい。それだけは、マストオーダーであってほしいのだが……。