クレーム対応に使える『あいづち』『褒め言葉』と、相手をキレさせるNGワード。
『クレーム』と『撃退』は、セットでよく使われるワードだが、撃退とは、即ち顧客を失う、ということ。
多くのクレーマーは、商品やサービスへの期待が大きかったからこそ、起こってしまったトラブルを受け入れられず、裏切られた気持ちになって激怒する。
だが、相手がどこに期待していて、現実とどれだけズレたかを見極め、期待に応えられなかった事を(必要があれば)謝罪しながら、根気よく話を聞き、絡んだ糸をほぐしていけば、この上ない上顧客になってくれる場合がある。
今売れている、援川聡氏の『クレーム対応「完全撃退」マニュアル』から、すぐに使える言い回しを抽出すると、解決の糸口が見えてくる。
(以下、斜体部分は『クレーム対応「完全撃退」マニュアル』援川聡 ダイヤモンド社から抜粋)
客をキレさせる『D言葉』は『S言葉』に変換
「ですから」
(そんなこともわからないの?という上から目線)
→ 「失礼いたしました」
「だって」
(そんなことを言われても困る、という逃げ腰)
→ 「承知いたしました」
「でも」
(それは違うんじゃないの?という反抗的な態度)
→ 「すみません」
たとえば必要書類が足りない時など、
「ここにあるじゃない!」
と言われて、
「ですから、この書類ではなく…」
と、説明に入ろうとするのはNG。
「ここにあるじゃない!」
「失礼いたしました。私の説明不足でした。もう一度、ご説明いたします」
こうすれば、余計な怒りを買う可能性が、格段に減る。
怒りを鎮める「あいづち」
また、話を円滑に進めるために使えるのが「あいづち」。
「はい」「さようでございますか」
ストレートに相手の話に同調するときに使います。あいづちの基本といってもいいでしょう。声のトーンによって、さまざまなニュアンスを伝えることができます。
「ごもっともです」「おっしゃるとおりです」
やや強めに相手の意見に同調するときに使います。ただし、あまり頻発すると嫌味に聞こえることがあるので注意します。
「そうなんですか」「そんなことがあったんですか」
感嘆を込めて相手の話に同調するときに使います。ただし、これも過剰に使うと、かえって不快感を与えることがあるので注意します。
(121〜122ページより)
傾聴の姿勢を見せるだけで、その後の話の進め方が、グッと楽になる。
併せて使う褒め言葉
これは合コンの秘訣として、女性の恋愛テクニックとしての方が、有名な『さしすせそ』なのだが。
「さすがですね」
「知らなかった」
「すごいですね」
「センスがいいですね」
「そうなんですね!」
(122ページより)
このようにあいづちで、気を悪くする人は少ない。だが逆に、禁句もある。
初期対応での「5つの禁句」
うまく相手を諫め、話がまとまりかけたところで、全てを無に帰し、相手の怒りを再燃させる「不用意なひとこと」もあるようだ。
その代表例が、
「会社の規定(方針)で」
「事務処理上」
これらは、こちらの事情を一方的に押しつけているように解釈されることがある。顧客にとっては、できない理由にならない。
「普通は」
「一般的に」
「基本的には」
これも、使い方によっては「上から目線」の印象を与えかねない。
「普通は、そのようなトラブルが起きないはずなんですが…」
と言われると、相手は
「じゃあ、俺は普通じゃないのか!」
と感じてしまうのだ。
こうした「相手を不快にさせる言葉」に十分注意しながら円滑におさめるには、ある程度の慣れや時間も必要だが、このあたりのワードを押さえておけば、そう悲惨なことにはならない。
ただし、過剰要求を繰り返す悪質なクレーマーに対しては、ていねいな言葉づかいをしながらも、ドライに言い切ることが必要だといいます。
(124ページより)
つなぐ顧客と、放す顧客。
あとは、そこの見極めを間違わないことだ。