ビジネスニュース斬り

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募集が開始された東京オリンピックのボランティアは、やりがい搾取? ブラックボランティア?

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東京オリンピックのボランティアの募集が始まった。

公式サイトはこちら

東京2020大会ボランティア

PR動画はこちら

日本財団ボランティアサポートセンター・コンセプトムービー「#2年後の夏」 - YouTube

 

ここを見て、やりたい!と思う人は多いだろうと思うし、私自身、詳細を知るまではそのように考えていたが、いざ募集内容を見ると、色々と疑問が湧いてくる。

 

オリンピックは都市開催である

前提として、オリンピックは『日本が開催するイベント』ではなく、『東京都が開催するイベント』である。

つまり、都市開催。東京都が主導で行う。

ラソンコースのアスファルトを、熱吸収のもの張り替える案も浮上しているようだが、これは公共事業として行われる。

たった一度のマラソン競技に、税金をどれだけ投入するのか。五輪の組織委員会や、スポンサーを取り仕切る電通の懐が痛まないのは確か。

なぜなら都市開催だから。

 

それを踏まえて、都民の負担を軽減する為に、出資してくれるスポンサーを募集するわけだが、現段階で、既に4000億円以上のスポンサー収入があったと推定されている。

この4000億円を、どう運用するかが明確でないまま、そもそも実際いくら集まっているかも明確でないままの、ボランティアの募集開始である。

ちなみに、同じスポーツのイベント(というか、興行)であるプロ野球のスタッフは有償。

彼らと似たサービスを提供するであろう東京オリンピックのボランティアは、当然のように無償である。

(ボランティアといっても、災害ボランティアが無償であることには、なんの疑問もない。予定されたイベントに向けて用意する『人手』と、突発的な災害に対して必要な『手助け』は、まったく別物である)

 

そもそも『ボランティア』という言葉の意味は…

ボランティアに『無償』という意味はありません。ボランティアは英語で『志願兵』という意味で、自ら志願することを意味しているのです。

実際、有償のボランティアもあります。よく知られたところでは、青年海外協力隊です。一般の給料と比べれば低いですが、外国での生活費は支給されますし、国内でも一定程度のお金が積み立てられます。

日本では、公官庁が『公園整備』や『一人暮らしの人への料理提供』など、さまざまな無償ボランティアを展開してきました。

そのため、知らない間に私たちの中に『ボランティア=タダ』という概念が刷り込まれてしまったのではないでしょうか」

(引用元 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56714 以下、斜体部分も同様)

それでも参加したい人は多いと思うが、オリンピックで稼ぐ人達もいるのだと思うと、また、話は変わってくる。

 

オリンピックは商業イベントである

『ブラックボランティア』を著した本間龍氏は、こう話す。

五輪は商業イベントです。

スポンサーのために利益をどう生み出すか、どう最大化するか、というのが目的です。

これで莫大な利潤を上げているのが組織委員会であり、スポンサーを取り仕切る広告代理店…つまり電通です。

公共の福祉も公益もほとんどありません

オリンピックで利益とは、あまり聞きたくないワードだが、そう考えるのはオリンピックやスポーツを、神聖視してしまっているからだろうか。

この神聖視こそが、ボランティアの『やりがい搾取』に繋がるのか……。

 

守られないボランティア

年々暑くなっている夏。

東京オリンピックの会期は7/24~8/9、パラリンピックが8/25~9/6だが、ボランティア達はこの中で、無償で活動する。

ラソン等、朝の7時に競技開始となるものは、いったい何時から、どうやって準備をするのかわからないが、とにかく無償で準備する。

「歴史的な、世界的なイベントに関われるだけ幸せ」

「報酬を求めるなんて、とんでもない!」

そんな人達の安全は、ほぼ確保されない様子。

 

組織委員会は、組織委の金銭負担で熱中症や怪我などに対応するボランティア保険に入れる、と言っていますが、そういう問題でしょうか。

万が一、重症になってしまった場合、だれが責任を取るのでしょうか。誰もとらないでしょう

 

保険に入れてあげたから、タダで働いてね?というのは、とんだブラック企業である。

 

「ちなみにボランティアですから労働基準法の管轄外となります。労働基準法では一日の労働時間や休憩時間、交通費のルール、最低時給などが細かく定められていますが、ボラインティアはその枠内でないこともお伝えしておきたいですね」

 

法の枠外で酷暑のもと、タダで働く…。

加えて、募集要項に書かれているボランティアの参加条件は、

・1日8時間程度

・連続して5日以上で合計10日以上できる人

・事前の研修にも参加できる人

・宿泊費は自己負担

・交通費一部負担(上限が千円程度)

数万人分のボランティアが、宿泊先を確保できるかも疑問で、早くもホテル不足が囁かれており、宿泊代が高騰している。

安い宿がボランティアで埋まり、海外からの訪日客には、宿がないとか、あっても高額……とかは、本当にやめてほしいが、ありそうな話だ。

ボランティアを体育館で寝泊りさせるという話もある。蟹工船か…?

 

さて、これで何人のボランティアが集まるか……。

スマフォで解錠のヒルトン、安全性は? 導入は早計では……。

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ヒルトンホテル、“スマホで解錠”全客室を対象に

ヒルトン(バージニア州)は2019年までに、日本国内すべての系列ホテルでスマートフォン専用アプリケーション(応用ソフト)による「デジタルキー」を導入する。

アプリでは客室選択や到着前の追加アメニティー注文などにも対応。将来は部屋の空調や照明、テレビなどの制御も視野に入れる。

IoT(モノのインターネット)技術を積極的に採用して宿泊客の利便性を高め、快適な滞在の実現につなげる。

 ヒルトンは国内のコンラッド大阪(大阪市北区)、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城那覇市)の2カ所で「デジタルキー」を導入済み。現在、国内では4ブランド16ホテルを展開しており、今後、開発を計画するホテルも含めてサービスを標準化していく。

 デジタルキー対応ホテルではパスポートの提示が必要な訪日客を除き、スマホアプリでオンラインチェックインすると、有効化した「デジタルキー」でそのまま入室できる。

 デジタルキーは、会員用アプリ「ヒルトン・オナーズアプリ」に搭載する。

アプリではフロア図から好みの部屋を指定でき、部屋からの眺望も確認できる。

 ヒルトンは18年、部屋の温度や照明、テレビなどをスマホで制御できる「コネクティッドルーム」の導入も始めた。

これまでに米テネシー州メンフィス近郊のホテル4件、計500室で展開しており、今後、グローバルに広げていく方針だ。

 コネクティッドルームでは、快適性と省エネルギーの両立を目的に人工知能(AI)と機械学習を活用。

不在時に室内の照度を落とし、空調を弱めることなどによって、環境負荷を半減するという企業目標達成への貢献も見込んでいる。

日刊工業新聞2018年9月11日

(引用元 https://newswitch.jp/p/14391

これは……

どうだろうな……

 

日本でのWi-Fi事情

先日、某高級ホテルのロビーで、Wi-Fiタダ乗りでゲームしていた高校生グループが、スタッフに追い出される姿を見た。

Wi-Fiはもはや『電波が飛んでるトコに行けば、誰でもタダで使えて超便利ってか、アタリマエ』なものになっている。なりすぎている。

 

だが、空港をはじめとする『ターミナルになる所』には、フリーWi-Fiを装ってアクセスをさせ、スマートフォンからデータをまるごと抜き出すハッカーが常駐している事が珍しくなく、『個人情報は誰かが守ってくれるもの』という盛大な勘違いをしているこの国は、そっち系犯罪者にとってはセキュリティゆるゆるの天国みたいな国で……。

そんな日本にデジタルキーの導入は、まだ早いのでは…と、もう、恐怖しかない。

私がチキンなだけなのか?

 

少なくとも、部屋の鍵を開けるアプリと、室内の設備をコントロールするアプリは、別にした方がいいのでは…とか、部屋の解錠は網膜とか静脈とかにしてくれ……とか思ってしまう私は、もう、ヒルトン系には泊まらないだろうなと思う。好きだったけど…。

 

スマフォの乗っ取りは簡単にできる

私がここまで怯えるのは、スマートフォンの乗っ取りが、めちゃくちゃ簡単なのを知っているからである。

なんというか、そういうアプリがあって、それを使えば、初心者でも簡単に、他人のスマートフォンを乗っ取れてしまうのだ。

その様子をNHKが特番で放送したので、見た方は思い出してほしい。

乗っ取ったスマフォを遠隔操作したり、カメラから映像を飛ばしてプライベートを丸裸にしたりは、現実に可能なのだ。

しかるべきキーワードで検索すれば、そっち系のアプリは山ほど出てくるが、面白半分にダウンロードしない方がいい。

というか、検索自体しない方がいい。

このへんのアプリやツールは、ハッカーからもサイバー警察からもマークされる諸刃の剣なので、興味を持つこと自体もオススメしないし、ここにリンクも貼らない。

 

大変歯切れの悪い締め方になるが、何が言いたいかというと、IoTも乗っ取りの危険はあるが、そこはまだ目を瞑るとして、デジタルキーはやばい。

Web上の何かのパスワードかと思い、他の報道も確認したが、何度見ても『スマホアプリでオンラインチェックインすると、有効化した「デジタルキー」でそのまま入室できる』とある。

やはり…デジタル上のチャットルーム等ではなく、『物理的な部屋』自体の鍵なのか。

訪日客は利用できないとあるが、日本人の中にも、残念ながら危険分子は潜んでいるわけで。

 

どうしたヒルトン、不用意だぞ?と、思った次第である……。

豪華ヨット『レクサス LY650』価格は? 発売は? 仕様は? いろいろ気になる!

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レクサスの超豪華ヨット発売決定!

レクサスが、ヨットを発売するというが、概要がよくわからなくて探ったところ、『日刊工業新聞』に、少し詳しく書かれていた。

(以下、https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00464990より引用)

トヨタ自動車富裕層向けオープンクルーザー「レクサス スポーツ ヨット コンセプト」の市販モデルを米国で2019年後半に発売する。国内は20年春に投入する。

友山茂樹副社長が8日、明らかにした。

価格は非公表だが、他社の65フィートクラスのボートと同等の値段になる見込み。

市販モデルは富裕層向けを強く意識、コンセプトモデルより大型化されるという。

 市販モデルの名称は「レクサス スポーツ ヨット」

全長は65フィート(19.8メートル)、定員15人乗り。

最高時速は43ノット。

コンセプトモデルは全長42フィート(12.7メートル)、定員8人乗りだったが、富裕層向けを意識した結果、大型化した。

遭難救助などに役立つコネクテッド機能も装備する。

生産は米国のマーキーヨット社

「レクサス スポーツ ヨット コンセプト」は17年1月に米国マイアミで初披露された。斬新なデザインが特徴で、

「世界中のお客様から、いつ買えるのか問い合わせがあった」(友山副社長)。

豊田章男社長も開発に関与している。

 

ヨットというだけで、富裕層のアイテムだが、そこにあえて『富裕層向けを意識』して被せるところが、レクサスである。

トヨタといえば、イギリスの車番組『Top Gear』で、水に浸けられたり、高所から落とされたりしては、都度息を吹き返して『壊せない車』のお墨付きを頂いており、その頑健さは、世界が知るところである。

そんなトヨタのレクサスが、ヨットを発売するとあって、世界中の富裕層が浮き足立っている。

 

ラグジュアリーヨットとは?

朝日新聞にはこう書かれていた。

(引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASL9B3TMWL9BOIPE007.html

ヨタ自動車は8日、来年発売するレクサスブランド初のボート「レクサス LY650」の概要を発表した。

全長約20メートル、全幅約6メートルで、定員は15人。三つの客室を備えて6人が寝泊まりできる。

LYは「ラグジュアリー・ヨット」の頭文字。

試作段階ではレクサス車にも使用するエンジンを搭載していたが、市販向けにボルボグループ(スウェーデン)の船舶用ディーゼルエンジンを採用した。米国のマーキー・ヨット社に生産を委託し、2019年後半に米国で、20年春に日本で発売する。価格は発売が近くなってから公表する。

 

市販用のボルボのエンジンについては、

エンジンはボルボ・ペンタ製の「IPS」シリーズの「1350」と「1200」を設定。1350の場合、排気量12.8リットルの直列6気筒ツインターボディーゼルエンジンは、最大出力1000hpを発生する。 

(引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/s.response.jp/article/2018/09/09/313810.amp.html

という報道がある。

 

増え続ける高級ライン

レクサスは、LY650にもブランドのデザイン言語のLフィネスを導入。

セダンの『LS』、SUVの『LX』、クーペの『LC』に続くブランド第4のフラッグシップが『LY650』、としている。 

陸、海、ときたので、次は空。

レクサスのプライベートジェットが飛ぶ日も、そう遠くはないかもしれない。

物流停止はこうして起こる。札幌市に見る、停電から始まる『負の連鎖』

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傾く建物、波打つ路面、陥没した所から、漏れた水が溢れ出す。それが、札幌だとは到底思えない。

そんな中、物流が止まっている現実が、更に追い討ちをかけている。


停電により止まる物流、最初はガソリンから…。

貯蔵施設を持つ会社の一つ「苫小牧埠頭」によると、ガソリンは十分な量があった。

だが、地震発生直後に停電が起き、タンカーで運ばれたガソリンなどを荷下ろしする港の貯蔵施設が一時停止。

ポンプでくみ上げてタンクローリーに移す作業ができず、出荷できなくなった、とのこと。

7日から非常用電源を使ってタンクローリーへの出荷を再開したが、いまも丸一日止まった分を補いきれていない。

これにより、ガソリンスタンドは給油量を制限。

中央区コスモ石油系の北一条サービスステーションでも、1回の給油を3千円までに制限した。

ハイオクが入荷できていないため、断る場面もあり、マネジャーは、

「いつタンクローリーがくるのか見通せない」

と語った。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASL984TL4L98UTIL01Q.html?iref=sptop_8_03より一部改変、以下も同様)

 

ガソリン不足と信号機停止で、走れないトラック。

運送会社もガソリンが足りず、長距離のトラックを出せなくなった。

停電もまた、トラックを出せない一因になっている。

多くの地域が停電したままで、信号機が止まり、道路の安全が確保できなかったため、北海道内大手の運送会社「松岡満(まつおかまん)運輸」では6、7両日、ほとんどトラックを出せず、荷物を預かることができなかったという。

 

トラックだけでなく、貨物列車まで止まり…。

JR貨物によると、北海道内を発着する貨物列車は地震直後から、すべてストップしている。

本州と道路でつながっていない北海道は、貨物列車が通る青函トンネルが大きな役割を果たしている。この時期、本州に運ばれる荷物は、収穫期を迎えたジャガイモやタマネギといった農作物が多い。

農畜産物の生産が盛んな十勝やオホーツク地方の産地には、農産物が山積みのままだという。

JR貨物は9日未明に運転再開を目指している。

 

来ないトラックを待つ小売店は…。

トラックが走らず、貨物列車も走らず。

物流が止まると、小売店はどうなるのか。

 

コンビニエンスストア

道内の弁当製造業者の工場が停電で動かず、素材も届かない為調理ができず、出荷がストップ。

弁当、総菜パンなどね棚は空で、とりあえず、おでんなどを買って帰った人も多い。

北海道内に約1100店を構える最大手のコンビニ「セイコーマート」を運営する「セコマ」によると、卸業者やメーカーの工場が完全に復旧していないため、全店で品ぞろえが元に戻るか、「見通せていない」とのこと。

 

スーパー

北海道内でスーパー「東光ストア」や「ラルズ」などを展開する「アークス」、イオン系のスーパー「マックスバリュ北海道」は大半で営業を再開。

だが、乳製品や豆腐などは工場が稼働し始めたばかりで「納品量はよくても週末で通常の2割、週明けでも5割くらい」マックスバリュ広報)とのこと。

 

ある大手スーパーの担当者は、

「電気がとまると、こんなに大変なことになるとは思わなかった」

と話した。それが全てだと思う。

 

『停電』と言われると、私達は、

室内が暗くなる

携帯電話の充電ができない

冷蔵庫の中身が痛む

トイレが流れない

その程度しか思い浮かばない。

それが、ガソリン不足による物流の停止に繋がるところまで、思い至らない。

だが、停電の影響は時が経つほどに重くのしかかり、復興を遅らせていく。

 

あるコンビニエンスストアでは、自動車の電源を使ってレジを動かし、混雑を回避したことが賞賛されていた。

そういう機転やノウハウを共有し、普段からガソリンを満タンにして自己防衛しておく他に、できることはないのだろうか…。

北海道を海上から支援する!KDDI『オーシャンリンク』と南極探査船『しらせ』の試み

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陸路がダメなら海路から。

空路よりも圧倒的に多くの物資を運べる『船』は、この細長い日本列島を救う鍵を握っているかもしれない。

 

KDDIが初の船舶型基地局

KDDI(au)は、北海道胆振地方を震源とする地震の被災地で、通信設備への電力供給が不透明だとして、海底ケーブル敷設船を日高沖に停船させ、日本で初めて船舶型基地局による通信エリア復旧を図ると発表した。

 船舶はすでに日高沖に停泊しており、地震の影響で陸上基地局が十分機能していない地域でもauの携帯電話サービスが利用できるようになるという。

 2011年の東日本大震災で、道路の寸断や光ケーブルの切断により、陸路からの基地局復旧が困難だった経験から、船舶に搭載する基地局によって通信を復旧させるための実証試験や訓練を実施し、準備していたという。

(引用元 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180908-00000071-asahi-soci

この船は、海底ケーブル敷設船KDDIオーシャンリンク』。

東日本大震災を教訓に、製造し準備していたというのが、実に頼もしい。船舶型基地局を、沿岸に一定の間隔で浮かべれば、かなりの範囲をカバーできるのではないか。

ただ、問題は、どの程度岸に寄せられるか(水深があるか)と、寄港や停泊ができる港があるか。あっても、機能しているかどうか。

今回の試みから多くの検証を行ってもらい、次の災害に備えてほしい。

 

圧倒的備蓄量の『しらせ』

しらせほど、災害に強い船舶はないのではないか。

人の住まない絶界に向かって、長期の航行と停泊をするためだけに設計された砕氷艦

そう、砕氷『船』ではなく、砕氷『艦』なのだ。

 

巨大地震で甚大な被害を受けた北海道苫小牧市で、南極観測船海上自衛隊砕氷艦)「しらせ」が7日、入浴などの被災者支援を行った。

海自によると、南極観測のため国外活動が長い同艦が災害派遣に参加するのは珍しく、初代しらせの三宅島噴火(1983年)以来2回目。

 海自によると、しらせは長期間航行するため、風呂が広く給水タンクも大きい。

6日に苫小牧港に入港し、被災者に艦内の入浴施設を使ってもらうほか、携帯電話の充電サービスや給水、医療相談を行っている。

6日は乗組員がおにぎり1000個を作り、陸上自衛隊が安平町とむかわ町に運んだ。

7日も1000個を作った。

掃海艇「いずしま」も同様の支援を行っている。支援は、少なくとも9日まで継続するという。

(引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/jc/amp%3fk=2018090701207

 

こちらも、圧倒的に頼もしい。

おにぎりはもとより、入浴できるということが、被災者にとってどれだけ癒されることか…。

加えて、携帯の充電、給水、医療相談。しらせには、全てが揃っている。

これを支援に向かわせたのは、英断中の英断ではなかろうか。

頼もしい…。

 

災害は最新技術の見本市

こういった大災害の時には、各社、各機関が、研究中の技術や試作機を投入してくる。

未完成であっても、人のためになるならと。

あるいは、実地での実証試験を兼ねられるからと。

非常事態だからこそ生まれる技術や製品、企業同士のコラボレーションは、実はかなり多い。

西日本豪雨の際に活躍した、全地形対応の消防車両『レッドサラマンダー』や、ドローンの最王手メーカーDJIの、対風・耐水・防塵性に優れ、熱探知までできる『Matrice200シリーズ』等が、今後現地に投入されるかもしれない。

人命を救う為に全力を投じる、日本の技術力に期待しながら、今後も注視していきたいところである。

六甲アイランドで51台全損のフェラーリ、車種は? 保険はどうなる?

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フェラーリ51台が水没により全損…

先日の台風により、埋立地の脆弱さを露呈した、神戸市東灘区の人工島・六甲アイランド

ここにあった近畿圏唯一の、フェラーリショールームとサービスセンターが統合された複合施設、『Auto Cavallino(オートカヴァリーノ)』

 

同店では当時、新車と中古車計53台のフェラーリを保管。

台風の接近に伴い、入り口をブルーシートや土嚢(どのう)で覆うなどの対策を施したが、高潮で店内は約1メートルの高さまで浸水。2台を除く51台が水没した。

同店によると、海水がエンジン内部に入り込むなどの被害を受けており、今後、全て廃車となる予定。中には購入済みの車も含まれており、保険を適用しながら対応していくという。

(引用元 https://www.sankei.com/smp/west/news/180906/wst1809060044-s1.html

 

無事だった2台は、整備の為に最高までリフトアップされていたものであり、他の、人が潜れる程度の高さしかリフトアップされていなかったものは、全て水没となったようである。

店舗の安全対策、水害対策は、どのようなものだったのだろうか。

 

フェラーリ正規店オートカヴァリーノ 販売店紹介より

私たち『Auto Cavallino(オートカヴァリーノ)』は神戸の六甲アイランドフェラーリオフィシャルディーラーとしてオープンいたしました。

最新のCI基準に則ったショールームにはイタリア最高級家具”カッシーナ”を採用したラウンジを完備し、ご来場いただいた皆様を優雅におもてなしいたします。

弊社在庫車輌は全て屋内保管車輌になります。

サービス工場には最新鋭機器を揃え、お客様の大切なお車をお預かりいたします。

全天候型の明るく広々としたストックヤード ショールームに展示しているお車以外もこちらでじっくりとご覧頂けます。

雨の日でも安心してご来店いただけるように駐車スペースも屋内に確保しております。

ご来店お待ち致しております。

(引用元 http://www.carsensorlab.net/shop/312494001/

 

今となっては虚しく聞こえる。

高級店としての方向性は間違ってはおらず、安全対策という意味では、おそらく標準的なもので、ここまでの災害は想定できていなかったのだろう。

間違っていたのは、立地だ。

『海抜の低い人工島』

この選択が凶と出た。

だが、船便で来る輸入車を迎えるという性質上、海や港の近くにショールームを構えるのは、当然といえる。

被害額は数十億円。ここには、いったいどのような名車があったのだろう……。

 

販売していた中古車輌

オートカヴァリーノで扱っていた車輌情報のほとんどが取り下げられていたが、中古車販売のサイトにわずかながら情報が残されていたので、参考までに転載しておく。

(以下、http://www.carsensorlab.net/shop/312494001/list/より引用)

フェラーリ カリフォルニア

1706万円 オープン (2009.10) 1.0万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2319万円 オープン (2015.1) 1.3万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2410.9万円 オープン (2014.11) 0.6万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2513.8万円 オープン (2015.6) 0.7万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2644.6万円 オープン (2017.1) 1.4万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2620.8万円 オープン (2015.5) 0.7万km

 

フェラーリ カリフォルニアT

2805.3万円 オープン (2017.12) 219km

 

フェラーリ F12ベルリネッタ

3018.8万円 クーペ (2014.4) 0.4万km

 

フェラーリ 458スパイダー

3210万円 オープン (2014.2) 0.7万km

 

フェラーリ 488GTB

3542.5万円 クーペ (2016.10) 0.2万km

 

フェラーリ 488スパイダー

3929.1万円 オープン (2016.9) 0.6万km

 

中古車の価格でこれである。

この店舗では、新車も当然扱っていた。

また、点検の為に預かっていた車両、修理中の車両、納車待ちの車両もあったとのこと。

その全てが廃車となると、被害額は計り知れない。

 

期待されていた関西の基幹店

2016年のオープン当初、オートカヴァリーノは、このように語られている。

 

神戸を含む近畿圏エリアは首都圏に次ぐ全国2番目の市場であり、近年フェラーリへの需要が最も高まっている地のひとつであることから、このたびフェラーリ・ジャパン正規ディーラーとしてグランド・オープンすることになりました。

この契約によりフェラーリ・ジャパンは、日本国内における正規ディーラーのネットワーク強化と、さらなる国内におけるサービス向上を目指します。

店舗はフロア面積3,100㎡の大きさを誇ります。

フェラーリ最新のコーポレートイメージを採用した店内には、新車ショールーム、認定中古車(Ferrari Approved)ショールーム、アトリエ(フェラーリテーラーメイド・プログラム)、サービスセンターがワンフロアで構成されておりフェラーリ車輌のご購入における多様なフェラーリ・エクスペリエンスと、お客さまのニーズに合ったサービスをご提供します。

(引用元https://auto.ferrari.com/ja_JP/news-events/news/auto-cavallino-kobe/ 以下、斜体部分も同様)

その、ワンフロアが全て水没。

広々とした、フラットでラグジュアリーなスペースが、完全に裏目に出た。


オープニング・セレモニーにて、フェラーリ・ジャパン 代表取締役社長 リノ・デパオリは、

「株式会社クインオートとのパートナーシップを強化し、Auto Cavallinoを正規ディーラーとしてグランド・オープンできたことをとても嬉しく思います。

近畿圏エリアにおいて大阪と並び重要で戦略的な地域である神戸に、近畿圏で唯一のショールーム(新車・認定中古車)とサービスセンターが統合された施設をオープンさせることで、高まる需要に的確に応えることができると考えています」

とコメントしている。

 

ここからどう持ち直すかに、クインオートの命運がかかっている、

 

保険の適応は…

台風21号に備えて、事前にブルーシートや土嚢(どのう)にて水害対策に備えていたとのことだが、店舗の目の前は海。

最大風速50m以上の暴風に高潮の影響が上乗せされ、店内は、約1mの高さまで浸水。

 

保険の内容によっては「高潮は保険対象でも、洪水は保険対象外」や「高潮・洪水共に保険対象外」、そして「高潮・洪水共に保険対象」といった内容がありますが、三つ目の保険内容「高潮・洪水共に保険対象」についてはスーパーカーでは適応できないといったところも多い模様。

もちろん、今回の高潮被害により、個人が加入している保険にて適応することも可能な会社もあるのですが、問題なのはディーラが掲げている保険で、これについては上の二つ目の保険内容「高潮も洪水も保険対象外」となっている可能性もあるため、ディーラが今後どのように対応していくのか非常に気になるところ。

経営母体となるGライオングループが責任を負う可能性も高いですが、やはりスーパーカーを購入する上で保険選びはかなり細かくチェックしておく必要がありそうです。

(スーパーカーを取扱う保険会社も非常に少ないのでかなり限られてきますが…今回のような大規模のトラブルは保険会社も相当に焦っていると考えられる)

(引用元 http://creative311.com/?p=45055

 

とのことだが、スーパーカーを買う人は、だいたいがセカンドカーで、代車が必要な人はほぼいないので、まあ…大丈夫かな…という気も。

むしろ、いつもお世話になってるし!くらいの気持ちで、ショールームの再建費用をポンとくれたり……は、ないのかな。

復興支援金はどこから? 西日本豪雨へ616億円追加、北海道は何億円?

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西日本豪雨 復興支援金1058億円に、616億円の追加を決定。

政府は6日、首相官邸西日本豪雨の非常災害対策本部会議を開いた。

安倍晋三首相は席上、農林水産業や観光への支援を加速させるため、2018年度予算の予備費616億円を追加で支出すると発表した。7日に閣議決定する。

8月に公表した「生活・なりわい再建支援パッケージ」の第2弾。第1弾では1058億円の支出を決めている。

主な内訳は公共土木施設の復旧に373億円、二次災害の危険のある土砂への対策に204億円など。

観光客が被災府県に2泊以上した場合にホテルなどの宿泊料を割り引く制度の対象に、香川、徳島両県を近く追加する。

また、広島、愛媛両県で始めた仮設住宅入居者への見守り事業を、岡山県でも近く始める。

首相は「引き続き住まいの確保、金融支援や心のケアなど切れ目のない支援を講じる」と強調した。

(引用元 https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/jc/amp%3fk=2018090600425

未明の北海道の地震にも、多額の復興支援金が必要な事は明らか。

それでもこれだけの追加予算を組めるのは、なぜなのか。

 

復興支援金の決定まで

毎年の予算案には、予備費が組み込まれている。不測の事態に備えてのものだ。

その予備費から激甚災害に指定された、西日本豪雨への復興支援金が出された。

この、激甚災害に指定されると、国庫補助率が上がる。

以下は今年7月の豪雨災害の時に、数量政策学者の高橋洋一氏がニッポン放送飯田浩司のOK! Cozy up!」で語った解説からである。

 

未曾有の大災害となったわけですが、これを復興させるにあたり、「まずは予備費から」は一時的なことですか?

「当然ですね。あと、こういう関係の公共事業ができるのですが、私は昔財務省にいたときに地方の部局で部長をやっていたのですが、こういうときにすぐに駆けつけて『これは公共事業ができるか?』と予算執行をする係があってやるのです。

そういうときは『みんな何でもオーケー』でやっていくのが普通ですね」

 

それに関してすぐに補正予算を組んだりする手続きが必要なのですか?

補正予算は組まなくても、賄えるのです。ですが、『現場で国費が出るか出ないか』はけっこう重要な話ですので、そういうときは現場で全部オーケーにするということを私はやりましたね」

 

今回の件に関してはそれをやっているのでしょうかね。

「した方がいいですよ。どうせ、激甚災害指定にするのでしょう。当然補正予算も組んでいいと思います」

 

激甚災害に指定されると、国庫の補助率が少し上がる?

「上がります。普通は6、7割ですが、8、9割になります」

 

では、ほぼ国庫で持って、復興をやると。

「逆に言うと、補正予算を組んだら、全額を国庫で持ってもいいですけどね。それは別にいくらでもできますが、こういうときに、妙に地方に負担させるのも気の毒な話ですから。このような何十年に1回という大災害のときには国がやってもいいとは思います」

 

その、何十年に1回というレベルの災害が、増えてきているのだが…。

 

予備費はいくらあるのか?

では、この予備費というのは、いったいどれだけ組まれているのだろうか。これについては、麻生太郎財務相が、7月10日に語っている。

 

麻生太郎財務相は10日午前の閣議後会見で、西日本豪雨への財政措置について、当初は2018年度予算で計上されている公共土木の災害対応予算700億円と予備費3500億円の計4200億円で対応すると述べた。

被害状況を踏まえ、予備費などで不足するのであれば、補正予算も考えることになるとの見通しを示した。(2018.7.10 ロイター)

 

続く自然災害。

ここで4200億円を使い切っても『今年度』は、まるまる半期残っている。

補正予算が組まれるとして、今度はどこから捻出されるのか…。